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つばき(ツバキ)** 万葉植物 **

つばき(ツバキ)

 

万葉仮名 -- 椿 海石榴 都婆吉 都婆伎

 

椿(ツバキ)

 

ヤブツバキ

(ヤブツバキ 巨木 京都・平野神社で撮影 4月)

 

 

あしひきの八つ峰(を)の椿つらつらに見とも飽かめや植ゑてける君

 

大伴家持 万葉集 [巻 二十 4481]

 

「峰々のたくさんの椿をつくづくと見ていても飽きることがありません、これを植えたあなた様もこの椿のようですよ」

宴に招かれた時、主人への挨拶として、植えてある椿に寄せて歌われた。

椿は万葉集に9首詠まれている。

 

椿は山茶花・茶と近縁の花木。

なかでも椿は葉が厚く「厚葉の木」「艶葉の木」が転じてツバキとなったといわれる。

椿の字をツバキに当てたのは春の花の咲く木のことから。

 

日本の花木を代表する椿はツバキ科の中でも観賞植物として最も広く利用され親しまれている。

Ouna が好んで絵にするのは、万葉人も愛でて詠んだであろう、真っ赤に咲く野生種の藪椿(山椿)や純白一重の白玉椿。

 

椿は首が落ちるさまを連想させるから不吉ともいわれるようですが、落ち椿に風情を感じ、集めてきては スケッチ をした。

園芸品種の豪華に咲く椿も素晴らしくて目を見張る。そこで椿について調べてみました。

 

 

日本原産の主なツバキ

 

ヤブツバキ(藪椿) -- ツバキ科

別名:ツバキ・ヤマツバキ

分布:本州・四国・九州・琉球の太平洋沿岸に多く分布

分類:常緑高木

樹高:5〜6m

花期:2〜4月

花色:基準種は赤色の花、淡紅色・白色の花もある

花径:5〜10cm、浅いカップ形に開く

9月から10月にかけて熟す実には3〜5個の種子ができる。

この種子からツバキ油が採れ、頭髪用・灯用・食用となり機械油としても一級品。

 

ユキツバキ(雪椿) -- ツバキ科

別名:サルイワツバキ・オケツバキ・ハイツバキ

分布:東北中部から北陸の積雪の多い地方に自生

分類:常緑低木で主幹がなく叢生し伏生状

樹高:1〜2m

花期:4〜6月

果実は実りにくくツバキ油は期待できない。

花色は赤色で一重、水平に開き黄色い雄しべが目立つ。

 

ヤブツバキ・ユキツバキ、両種は今日の園芸品種育成の上で大きな役割を果たしたといわれる。

 

 

ツバキの園芸種

 

ツバキの観賞は茶道や華道の発達した室町・桃山時代を経て、江戸時代に入ると各地で名花が続々と誕生。

肥後ツバキもこれらをもとにして江戸時代に九州の細川藩の手で作りだされた。

江戸末期には西欧にもたらされ、空前のツバキブームを呼んだ。

 

第2次世界大戦後アメリカやオセアニアに移ったブームが、日本に再びツバキの園芸価値を見直すきっかけになった。

現在、国内では1300品種、欧米では1万を越える品種がある。(30年ほども前の平凡社大百科事典による)

今や国内の園芸品種数は2000種とも3000種ともいわれている、欧米の品種数はどうなんだろう??

 

ヤブツバキやユキツバキに由来する日本産園芸種は、花色や花型の変化に富み、葉や枝にも変わりものが見られる。

花色は白・桃から暗紅に至る各色のほか、絞り模様・白・覆輪があって美しい。

花型は八重咲き・獅子咲き・牡丹咲き・千重咲きなど。

花径は4〜5cmの極小輪から20cmを越す巨大輪まである。

 

 

乙女椿(オトメツバキ)

 

オトメツバキ

・・家の庭のオトメツバキ・・ 4月

 

オトメツバキは、江戸時代から栽培されているユキツバキ系の園芸品種。

「千重咲き」といえるような、幾重にも重ねたピンク色の花びらが特徴で、しべが見えない・しべがないツバキ。

そのため鳥もこないし実がならない、可憐な乙女のようだから「乙女椿」の名がついたのかな。

江戸時代、他の藩に出回らないように門外不出とされたことから「お止め椿」と呼ばれ、それが転じて「乙女椿」になったとの説もあるようです。

 

家の庭のオトメツバキの樹齢は約100年、Okina が刈り込んでいるので高さは 2.5mほど。

このツバキは首がしっかりしていて落ちにくい、茶色く枯れて残るのがあり見苦しい。

花がら摘みが必要。

 

 

手水鉢に浮かべられた色々な椿(ツバキ)

 

手水鉢に浮かべた椿

・・京都 法然院の中庭で・・ 4月

 

「五色散り椿・貴椿・花笠椿」の三銘椿が有名な法然院。

拝観の折に見た中庭の手水鉢に浮かべられた色々なツバキ、美しくて見惚れた。

惣門から参道両脇に自然のままのヤブツバキ(藪椿)が見事に咲く。

 

 

五色八重散椿(ゴシキヤエチリツバキ)

 

五色八重散椿

・・京都 地蔵院で・・ 4月

 

「椿寺」と呼ばれる「地蔵院」 京都市北区大将軍川端町2

1本の木に濃淡様々な色合いの花が咲く「五色八重散椿」は珍しくてとても美しい。

よく見ると葉が普通のツバキの葉より小さく見える。

花びらが散るところもサザンカ(山茶花)に似てるよう。

調べてみると散り椿というのは、サザンカが浸透交雑した品種の可能性もあるとのこと。

「浸透交雑」……難しいですね。(-_-)ウーム

 

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| 万葉植物 | 16:00 | comments(4) | - |

あべたちばな(ダイダイ) ** 万葉植物 **

あべたちばな(ダイダイ)

 

万葉仮名 -- 阿倍橘

 

橙(ダイダイ)

 

橙・ダイダイ 1

(伊勢神宮 参道で撮影)

 

伊勢神宮 初詣の折に、参道で見た全景が撮れないほどの大きな橙の木。

これほど大きな木に橙が生っているのを見たことがなかったのですが、伊勢神宮で生る橙は、ありがたく見えた。

 

 

橙・ダイダイ 2

 

 

我妹子(わぎもこ)に逢はず久しもうましもの阿倍橘(あへたちばな)の苔生すまでに

 

万葉集 [巻十一 2750]

 

 

「あの娘に逢わなくなってもうずいぶん久しくなってしまった。あのおいしい阿倍橘は、いつの間にやら苔が生えてしまったが、今頃どうしているのだろうか……」

 

万葉歌に詠まれている阿倍橘(あべたちばな)は 現在の橙(だいだい)のこと。

平安時代の漢和辞典「和名抄」・ 本草書「本草和妙」に、「橙、阿倍多知波奈(だいだい、あべたちばな)」と出ていることから、現在の橙とされているそうです。

 

橙は落果しにくく、新旧代々の果実が同一樹上になること。

また果実が黄金色をしていることから、家が代々続き繁栄することを願い、正月に鏡餅の上に飾ったり、しめ飾り などに使われる。

 

 

橙は、インドのアッサムを中心とする地域が原産地といわれる。

世界的に広く栽培されるが、陸路を西進したものがサワーオレンジに。

東進したものが橙の品種群に分化したそう。

日本には中国から伝来。最も古くに導入された かんきつは、橙であるといわれる。

 

 

ダイダイ(橙) -- ミカン科

常緑小高木・樹高 3m〜7m

花期は5月〜6月

花は総状花序をなし、香り高い白色5弁の花を咲かせる。

 

果実は緑色で野球ボール大、冬にダイダイ色(赤味を帯びた黄色)に色づく。

そのまま木に残しておくと、3月以降 す上がり して品質が落ちるが、いったん緑化したのち再着色して翌年まで樹上にとどまる。

 

果実は、苦くてそのままでは食べられないが、皮はマーマレードの原料や芳香健胃薬に。

絞った果汁はダイダイ酢、オランダ語で「ポンス(ポンズ)」という。

暖かい鍋料理に、そのほかにも色々と利用できる。

 

わが家で鏡餅の上に飾るダイダイは、Okina が暮れに買ってくる。

鏡開きの後、まだ美しいので絞って食酢として利用しまス。。。(o^∇^o)ノ

 

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| 万葉植物 | 12:00 | comments(2) | - |

はなたちばな(マンリョウ) ** 万葉植物 **

はなたちばな(マンリョウ)

 

万葉仮名 -- 花橘

 

万両(マンリョウ)

 

万両・マンリョウ

 

 

我がやどの花橘(はなたちばな)のいつしかも玉に貫くべくその実なりなむ

 

大伴家持 万葉集 [巻八 1478]

 

 

「我が家の庭の花橘は、いつになったら珠として緒に通せるようにその実が成るのでしょうか」

 

「玉に貫くべく」とは、5月5日の節句に用いる薬玉(くすだま)のこと。

長命を祈るために麝香(じゃこう)・ 沈香(じんこう)・ 丁字(ちょうじ)などの香料を錦の袋に入れ、五色の糸飾りを下げたもの。

橘の若い実や菖蒲・よもぎなどが代用され、袋に詰められたようです。

 

「花橘」は「橘」と区別せずに、日本橘や柑子(こうじ)みかんの類とされていて。

普通は初夏に咲く花を「花橘」と呼んでいるが「万両」とする説もあるそうです。

(参考図書:やまと花萬葉)

 

調べてみると万葉集に「花橘」は72首も詠まれている。

でも「万両」については触れられていないし、Ouna は「万両」とする説がよく分からない。

 

 

我が家の庭にも万両が何本か植わっていますが、今年は赤い実がほんの少し。

10両ほど!? なので万両を求めてあちこちと。。。

ありがたいことに初詣の神社で出会えました。めでたし めでたし。

 

 

マンリョウ(万両) -- ヤブコウジ科

常緑小低木・花期7月

本州・四国・九州の山地の樹陰に自生し、済州島・台湾・中国にも分布。

 

赤い実と常緑の葉が美しいので鑑賞用に植えられる。

花は前年枝の枝先に白色の目立たない小花を散形状につける。

果実は6〜7mmの球形、晩秋に赤く熟して下垂し、翌春までついていて可愛い。

正月には万両にあやかり、千両(センリョウ)とともに縁起をかついで飾られる。

 

 

子供のころの思い出…… 万両の赤い実で思い出しました。。。

ストローの先を縦に4か所ほど切って倒し、それに万両の赤い実をのせ、下から吹いて遊んだような気がする。

ストローといってもプラスチック製でない、麦わら天然素材のストローです。

Okina に尋ねたら、それは女の子の遊びで知らない、と言うのですが (*'ω'*)......ん?

 

 

※ 薬玉(くすだま)とは - コトバンク

 

 

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| 万葉植物 | 11:15 | comments(4) | - |

まゆみ(マユミ) ** 万葉植物 **

まゆみ(マユミ)

 

万葉仮名 -- 檀・真弓

 

檀・真弓(マユミ)

 

赤い実をつけた檀の木

 

 

南淵の細川山に立つ檀(まゆみ)弓束巻くまで人に知らえじ

 

万葉集 [巻七 1330]

 

 

檀(真弓)は万葉集に12首登場している。

詠まれているのは檀(真弓)の木のことではなくて、ほとんどが弓のこと。

 

南淵の細川山は奈良県明日香村にある。

昔、檀(まゆみ)の木は弓を作る材料に用いられ、弓束(ゆづか)に皮や桜の皮を巻きつけて弓に仕上げた。

弓が仕上がるのと恋の成就を願って……「二人の恋がかなうまで人に知られないようにしよう」という意味かな。

 

 

檀(真弓)の実を本などで見て、ずっと実物を見てみたいと思っていたのですが。

2015年10月に上高地 梓川べりを散策した時のこと。

赤く面白い形をした実が生った檀(真弓)の木が何本も生えていて感激!

それだけではなく、野猿がマユミの赤い実をむさぼっている のに遭遇、面白くてじっと観察した。

 

昔、この木で弓を作ったといわれる弾力のある檀(真弓)の枝を、野猿は次から次と引き寄せて黙々と実を食べていた。  

それを見て、これほど弾力があれば弓にされるはず、と納得した。

 

 

マユミ(檀・真弓) Euonymus hamiltonianus

別名:ヤマニシキ

科名:ニシキギ科

樹高:3〜8m

花期:5〜6月

 

日本各地からサハリン、朝鮮半島南部の山野に分布する落葉樹。

名の由来は昔、この木を弓に用いたため。

花は枝の下部の葉腋に集散花序につき、径約1cmで花びらは4枚。

雌雄異株。雌木ではやや四角形の果実がつく。

 

果実は秋になると淡紅色に熟し、4裂して赤い仮種皮に包まれた種子を露出する。

紅葉した葉が散っても、果実はかなり遅くまで枝に残りよく目立つ。

マユミの若葉は食べられるが、赤い実は有毒で食べると吐き気や下痢をおこす。

 

庭木や生垣などによく植えられている。

材は弓のほかに、将棋の駒・木釘・こけしなどの細工物に利用される。

 

 

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| 万葉植物 | 11:30 | comments(2) | - |

うはぎ(ヨメナ) ** 万葉植物 **

うはぎ(ヨメナ)

 

万葉仮名 -- 宇波疑 菟芽子

 

嫁菜(ヨメナ)

 

嫁菜(ヨメナ)

 

 

ヨメナかノコンギクか

 

 

春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも

 

万葉集 [巻十 1879]

 

「春日野に煙が立っているのが見える。おとめたちが春の野のうはぎを摘んで煮ているらしい」

 

 

「うはぎ」は嫁菜のこと。

万葉のころから代表的な春の摘み草であり、歌から食用にされていたことがわかる。

 

 

嫁菜(ヨメナ)は秋に分枝した枝先に、径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。

「柚香菊(ユウガギク)」「関東嫁菜(カントウヨメナ)」「深山嫁菜(ミヤマヨメナ)」「野紺菊(ノコンギク)」などが、一般に「野菊」とよばれているようですが見分けるのは難しい。

 

けれど、春の摘み草としては、どれも同じように利用できるそう。

3月ごろに若芽を摘んで、おひたし・あえもの・てんぷら・炒めもの・嫁菜飯などに。

 

Ouna は食したことはないのですが、キク科の植物なので少し苦味があるかも!?

民間薬として、茎・葉を煎じて解熱・利尿剤などに用いる。

 

「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説あるようですが。

春の若菜の中で美味、美しく優しい花を咲かせるところから「嫁」の名がつけられたのかな…… (*´∇`*)

 

 

嫁さん

 

 

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、2014年10月に旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。

それまで、嫁菜さん・嫁菜さん・嫁さ〜ん、と探していた。

やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが…… ヨメナかな!?

 

どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)

今年のヨメナが咲くころに、見分けてみようと思っていたのですが、ヨメナに出会えません。

 

よく似ているヨメナとノコンギク、違いはいろいろあるようですが、確実なのは 冠毛 の長さ。

花を分解してみると、ヨメナは冠毛がほとんどなく 0.5mm。

ノコンギクは 5mm以上の長さという。

 

 

ヨメナ(嫁菜)

科名:キク科

分類:多年草

花期:7〜10月

分布:本州中部以西・四国・九州

畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

 

 

上記2枚の画像だけでは難しいと思いますが、どなたか見分けてくださいませ。

嫁菜(よめな)と 媼(おうな)が お願い申します。

 

花

 

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| 万葉植物 | 15:00 | comments(2) | trackbacks(0) |

うも(サトイモ) ** 万葉植物 **

うも(サトイモ)

 

万葉仮名 -- 宇毛

 

 

里芋(サトイモ)

 

里芋 葉・葉柄

(自宅近くの菜園で 2019.10.17)

 

 

蓮(ハス)

 

蓮 葉

(万博記念公園・日本庭園で 2015.06.09)

 

 

蓮葉はかくこそあるもの意吉麻呂が家なるものは芋の葉にあらし

 

 長忌寸意吉麻呂 万葉集 [巻十六 3826]

 

 

芋(うも)は里芋のことで、万葉集に1首だけ登場している。

 

宴席で戯れて、蓮の葉と芋の葉を比べて詠んだ歌のようです。

「蓮の葉はこのように美しいものなのですね、これに比べたら意吉麻呂の家にあるのは芋の葉みたいなものですよ」

このような直の解釈ではなくて……。

 

意吉麻呂が参加した宴席で美しい見事な蓮の葉を見たのでしょう。

蓮の葉に美女の姿を重ね……それと比べると我が家の妹(妻)は、芋の葉みたいなもの、と謙遜して詠んでいる!?

調べてみると様々な解釈がされているようですが難解です。

 

古代では蓮の葉は食べ物を盛る皿として使われたりした。

万葉集 [巻十六 3837] の歌に、宴会のご馳走を蓮の葉に盛りつけた、と記されている。

蓮は万葉集に「蓮葉・蓮」で4首詠まれている。

 

💚

 

サトイモ(里芋)

 

食用にするサトイモ科の多年草。

インド東部からインドシナ半島部にかけての地域が原産地。

古く稲作の渡来以前に日本でも栽培されていたとの説もある。

 

茎は地中にあってほとんど伸びず、肥大して塊茎(いも)になる。

葉は長さ1〜1.5の葉柄(ずいき)を直立する。

葉身は楯形・卵円・ハート形で長さ30〜50cm 幅25〜30cm。

表面が滑らかで水をはじく。

 

花は和蘭海芋(カラー)や水芭蕉に似た形の仏焔苞をもつ。

花期は8月ころ。まれにしか咲かない。

 

サトイモの収穫は 9月下旬〜11月下旬ころ。(暖地)

旧暦8月15日の中秋の名月は、「芋名月」とも呼ばれ。

秋の収穫を感謝して満月に団子とともに里芋を供える風習がある。

 

サトイモの品種は とても多く、日本でよく栽培されるのは、赤芽・土垂・石川早生・唐芋・八頭など。

芋のつき方などから品種は数型に分類されている。

 

サトイモの食べ方

塩ゆで・芋雑煮・芋汁など主食的に、また汁の実・田楽など副食惣菜用にする。

葉柄は汁の実・漬物・煮物に。

 

我が家では、夏に出回る葉柄(ずいき)を茹でてアク(シュウ酸など)を抜き、煮物や甘酢に漬ける。

甘酢に漬けると美しい紅色になる。

里芋を皮ごと蒸して作る衣被(きぬかずき)や煮物も好き。

 

サトイモの栄養

サトイモにはガラクタンと呼ぶ炭水化物とタンパク質が結合した粘性物質が含まれている。

皮をむくとこのぬめりが芋全体を覆う。

ぬめりは調味料のしみ込みを妨げる。

 

皮をむくとき手指がかゆくなるのは、サトイモに含まれているシュウ酸カルシュームが原因とか。

 

成分はほとんどがデンプン。

カルウムを多く含んでいるため、ナトリウム(塩分)を排泄するので高血圧に効果がある。

近年、コレステロールの生成を抑制する成分が含まれていることが分かったそうです。

 

💚

 

里芋の葉は、蓮の葉と形が違うが大きくて表面が滑らかで水をはじく。

子供のころ、七夕の短冊に願いごとを書くために、朝早く起きて里芋の葉に溜まった露を集めて墨をすった。

里芋の葉にも蓮の葉にある「ロータス効果」と同じような仕組みがある。

 

 

関連記事:

はちす・はす(ハス) ** 万葉植物 **

 

 

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ひし(ヒシ) ** 万葉植物 **

ひし(ヒシ)

 

万葉仮名 -- 菱

 

菱(ヒシ)

 

菱(ヒシ)大沢池で

 

 

君がため浮沼の池の菱摘むと我が染めし袖濡れにけるかも

 

 万葉集 [巻七 1249]

 

 

豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ

 

 豊 前 国の白水郎(とよくにのみちのくちのあま) 万葉集 [巻十六 3876]

 

 

豊国は現在の福岡県東部と大分県全域にあたる。

 

万葉集で菱は2首詠まれている。

2首とも、菱の実を摘んでいるのは女性で袖を濡らしている様子。

 

万葉人は菱の実を採って食していたことがうかがえるが、どのようにして食していたのでしょう。

鋭い とげ があるので魔除けとかに用いていたかも。(・・。)ん?

 

 

菱 の 群生

 

大覚寺・大沢池の中 菊が島周囲

 

菊が島周りの菱 群生

(2015.09.26 夕方)

 

大覚寺へ月見に行って、中秋の名月が映り込む大沢池で菱(ヒシ)を見た。

蓮(ハス)と共に池の北岸沿いの天神島・菊が島辺りをおおい尽くしている。

このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことで懐かしかった。

 

 

Ouna の生家前、国道を横切ると大きな池があって水面を菱がおおっていた。

夏に水遊びしながら、若い菱の実を採って生のまま食べた。く(""0"")>なんてこと!

三角形の実に2本の鋭い とげ があり、成熟して堅くなったのはさわると指にささって痛かった。

 

調べてみると、菱の実は豊富な栄養成分を含んでいるようです。

塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がする。

 

菱は有機ゲルマニュムを含む数少ない植物で、薬効効果も高いらしい。

これからは薬膳として注目していきたい、とひしひし思う。ヾ(´ε`*)ゝ

 

 

菱 の 構造図

 

菱の構造図

 

ヒシは池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げて、水面をおおうヒシ科 一年生の水草。

果実には逆歯のある とげ があり水底に固着して越冬する。

 

春に頂端部から芽を出し、泥中に根をおろして水面に向かう茎を伸ばす。

茎の各節には、対生して細かく枝分かれする水中根がある。

 

葉は互生で放射状に出る。長い葉柄がありその中部はふくらんで浮袋となる。

ひし形の葉には粗い鋸歯がある。つぎつぎと新しい葉がつくられ、枝分かれもして繁茂する。

 

花は7月ころから順次咲く。

若い葉の葉腋から出る柄の先に白い4弁の花がつき、水面に顔をのぞかせる。

萼4枚・おしべ4本・めしべ1本、子房は2室で基部は萼筒と合着していて、この部分が花後に発達する。

花が終わると柄がのびて水中に没する。

 

萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残って果実の とげ になる。

果実の内層は堅い木質になり、1室のみが発達して大きな1種子を持つ。

 

種子には胚乳がなく、1個の大きい子葉と1個の麟片状の子葉とがある。

子葉には生の状態で約20%のデンプンが貯蔵されている。

 

(参考図書:平凡社大百科事典 ヒシ 菱 から抜粋・画像転載)

 

 

ヒメビシやオニビシは萼片が4枚とも残り、とげ になるそう。

こちらは忍者が用いる道具のひとつ、撒菱(マキビシ)に……!?

足の裏攻撃!!ヽ(* ̄▽ ̄)┌θ~(>y<;)ツ イテテテ!!

 

 

菱紋

 

菱餅・武田菱

 

菱餅 武田菱

 

割り菱・松皮菱

 

割り菱 松皮菱

(菱紋:Wikipedia から拝借)

 

菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。

アップしている菱紋以外にもいろいろあります。

万葉集の時代に紋はなかったでしょうが、後の時代に歌に詠まれている植物がいくつも紋になっている。

 

 

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いちし(ヒガンバナ) ** 万葉植物 **

いちし(ヒガンバナ)

 

万葉仮名 -- 壱師

 

 

彼岸花(ヒガンバナ)

 

彼岸花(ヒガンバナ)

 

 

道の辺(へ)のいちしの花のいちしろく人皆知りぬ我(あ)が恋妻は

 

万葉集  [巻十一 2480]

 

 

「道端に咲く彼岸花は真っ赤に咲きすぐ人目につく。私の恋しい妻のことをその花のように皆に知られてしまった」

 

歌の「いちしろく」は、いちじるしい・めだってはっきりしている、の意味。

 

万葉集に壱師(いちし)が詠まれているのは一首だけ。

 

「いちしの花」というのは、羊蹄(ギシギシ)・ 虎杖(イタドリ)・ 草苺(クサイチゴ)など、多くの説があり。

中でも彼岸花(ヒガンバナ)説が最有力だそうです。

 

彼岸花

 

ヒガンバナ(彼岸花)

ヒガンバナ科の多年草。花期は9月。

彼岸花は中国大陸から帰化したものらしい。

「曼珠沙華」という別名があるが、” 天上の華 ” という梵語に由来する。

 

ヒガンバナは有毒植物である。そのため土に穴を掘る小動物は避けるとか。

昔は飢饉の時に備えて田の畦などに植えていた 救荒植物

 

彼岸花

 

彼岸花(ヒガンバナ)

 

彼岸花(ヒガンバナ)

 

 

プランターの 彼岸花・・・もう限界よ・・・(((( ;゚д゚))))

 

彼岸花を忌み嫌う人もあるようですが、ouna は真っ赤に咲く妖しげな雰囲気に引かれて絵にした。

花を細密描写するために、プランターに植えて咲かせた。

増殖してプランターが窮屈になったので、有毒植物ではあるが食用・薬用になるという 鱗茎(球根) を掘り起こして観察。

 

 

彼岸花 の 鱗茎

 

彼岸花の鱗茎

 

茎を切り取り外皮をむいて洗った鱗茎。

鱗茎は多量のデンプンを含むが、毒性のあるアルカロイドも含む。

すりつぶした後に数回水洗いしてアルカロイドをとり除けばよい、と知ったが食べる勇気はなかった。( ̄ー ̄;

 

彼岸花

 

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彼岸花(ヒガンバナ)の絵

 

彼岸花

 

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つきくさ(ツユクサ) ** 万葉植物 **

つきくさ(ツユクサ)

 

万葉仮名 -- 月草 鴨頭草

 

 

露草(ツユクサ)

 

露草(ツユクサ)

 

 

月草に衣は摺(す)らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも

 

 万葉集 [巻七 1351]

 

「月草で衣を摺り染めにしよう。朝露に濡れてしまった後、たとえ色があせてしまうことがあっても……」

 

月草は万葉集に9首詠まれている。

 

「月草」は露草(つゆくさ)のこと。

染料として古くから利用され、よく布に染めつくことから「着き草(つきくさ)」と呼ばれたそう。

けれど、この花で染めたものは色が落ちやすく、あせて変わりやすい。

万葉集で月草は、移ろいやすい恋心や、はかなさのたとえで詠まれている。

 

 

露草(つゆくさ)は、夏から秋にかけて道ばたや荒地でよく咲いている花。

けれど、Ouna は家の近くで露草を見たことがないのです。

 

故郷へ Okina とお彼岸参りに行った折のこと。

道ばたで一面に広がって咲いているのを見て、子供の頃の懐かしい記憶がよみがえった。

朝露にきらきら輝く鮮やかな青色の花を摘んで、綺麗な青い水を作って遊んだことを……。

思い出にふけっていると、Okina に置いてきぼりにされていること露知らず。(ノд-。)クスン

 

 

露草(ツユクサ)

 

 

< ツユクサ(露草)>

ツユクサ科の一年草。花期は6〜9月。

路傍や荒地のやや湿った場所に生える。

花は苞葉に包まれた短い花序に数個つくが、1個ずつ咲くので一輪咲きに見える。

花の命は短くて、朝咲いて昼すぎにはしぼむ一日花。

 

朝露に輝くみずみずしい姿から「露草」の名がついたとか。

青花(アオバナ)・  藍花(アイバナ)・ 帽子花(ボウシバナ)・ 蛍草(ホタルグサ)とも呼ばれる。

 

乾燥させたものは薬用に、新芽は食用になる。

花が大輪の大帽子花(オオボウシバナ)は、観賞用・染料用に栽培され。

青色色素のコンメリニンを含む花汁で染めた青紙は、友禅・絞染の下絵の絵具に用いられる・(参考図書:平凡社大百科事典など)

 

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すすき・をばな・かや(ススキ) ** 万葉植物 **

すすき・をばな・かや(ススキ)

 

万葉仮名 -- 須須伎 乎花 加夜

 

 

薄・芒(ススキ)

 

薄・芒(ススキ)

(六甲高山植物園で)

 

 

帰り来て見むと思ひし我が宿の秋萩すすき散りにけむかも

 

 万葉集 [巻十五 3681]

 

人皆は萩を秋と言ふよし我は尾花が末(うれ)を秋とは言はむ

 

 万葉集 [巻十 2110]

 

 

尾花(おばな)は、薄・芒(すすき)の花穂のこと。

尾花の名は花穂の形が馬などの尾に似ているところからで、「花芒」ともいわれる。

薄は秋の七草の一つ、十五夜に飾られる代表的な草花です。

 

薄は寂しげな風情を漂わせているが……。

花が咲いて後に白い綿状の毛束になって風にそよぐ姿は美しく、風に乗って飛んでいくさまは風情がある。

けれど、枯れ尾花はとんでもないものに見間違えられたりで…… (ノ>。☆)ノ キャッ

 

秋の七草の萩もいいけれど、Ouna も尾花に秋を感じます。

子供の頃、薄の葉を扱い(しごい)て指を切った痛い思い出もある。

 

 

薄は、茅・萱(かや)とも呼ばれる。

昔は屋根を葺いたり、炭俵を編んだりで、とても役に立つ植物だった。

屋根葺き材は地域によって、薄・葦・麦わらなどが使われており、それらの総称を「茅(かや)」と呼んでいる。

クマ笹や琉球竹を屋根材に使うところもあるらしい。

 

 

茅葺き屋根の家

 

茅葺き屋根の家

2009.11.20

 

10年も前のことだけど、京都府美山町の かやぶきの里 北村を訪ねた。

茅葺き屋根の家が多数あり、日本の農村の原風景を残して自然豊かでのどかだった。

画像の交流館・玄関前にも薄・尾花が見える。(*゚▽゚)ノ

かやぶきの里 北村では、今も薄で屋根の葺き替えをしている家が多いようです。

 

 

薄・尾花(オバナ)

 

薄・尾花;

2015.11.19

 

能勢妙見山で、尾花が秋の風になびいていた。

この薄は山野に生える普通の薄。

薄は色々な変種があるようです。「糸芒」「鷹葉芒」「縞芒」など。

葉に白い縦縞がある「縞芒」、観賞用に植えられているのを見たことがある。

 

 

 

ススキ(薄・芒)

イネ科の多年草。花期は7〜10月。

日本全土の日当りのよい山野に普通にみられ群生することが多く、茎葉が密生して大株となる。

茎は高さ1m前後の円柱形で、やや太く中実で節がある。

 

葉は長さ30〜50cmの線形、幅は6〜10mm、先はしだいにとがる。

中脈は太く白色で基部は長い鞘となり鞘口に長い毛がある。

 

花序は秋に茎の頂につき、長さ15〜30cmの散房状。

短い中軸上に7〜多数の枝(総)をつけ、各総はその基部から先端まで小穂を密生する。

 

ススキの小穂

 

小穂は長柄および短柄の2個が対になり、小穂自体は長さ5mmほどで黄色く、先端に ※ 芒(のぎ)がある。

小穂の基盤に長さ7mm内外の白い毛を密生するため、総全体が銀白色の毛に包まれる。

※ 芒(のぎ)とは、イネ科植物の実の外殻にある針のような毛。

(参考図書:平凡社大百科事典 小山鐵夫)

 

 

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かやぶき屋根の里・・・京都府南丹市美山町 2012.10.31

 

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