はちす・はす(ハス) ** 万葉植物 **
2017.08.07 Monday
はちす・はす(ハス)
万葉仮名 ・・ 蓮 ・・
ひさかたの雨も降らぬか蓮葉(はちすば)に溜まれる水の玉に似たる見む
万葉集 [巻十六 3837]
「雨でも降らないかなあ、蓮の葉に 溜まった水が玉のようにきらめくのを見たいからな」。
と酒宴の席で食べ物が盛られていたハスの葉を見て、即興的に歌われたもの。
「ハスの葉に溜まった水が玉のようにきらめく」と歌った感性豊かな詠み人さん。
* ハスの葉に溜まった水 玉のよう *
15:15
葉っぱの表面が水をはじき、流れ落ちる水滴が水銀のように丸まって、くぼんだ葉の中心に溜まっている。
ハスの葉には、ロータス効果(ハス効果) という自浄機構が備わっているのだそうです。
ハスに魅せられて、スケッチや絵をよく描いた ouna ですが、ロータス効果という言葉を知らなかった。
万葉人はご存知だったのでしょうか・・・。
* ハス *
午後に訪ねた万博記念公園・日本庭園のハス池、咲いたのが撮れていない。
15:28
ハス(蓮)は、インド原産のハス科・多年性水生植物。 花期は7〜8月。
蓮根や種子は食用に。種子は滋養と強壮作用、蓮根には血を浄化する作用がある。
また、ハスのほとんどの部分が薬用にされる。
ハスは、お寺の庭園の池や公園によく植えられている。
池や水田、堀などで栽培される。
開花は夜明け前後で、午後になると閉じてしまう。
この開閉を3〜4日間くり返し、花びらが散る。。。
ハスは古くから神聖な存在とされ、仏教と深い関わりを持つ植物であり。
また食用にする蓮根としても日本人になじみ深い植物である。
仏像は殆んど蓮台の上に立つか、座るかのお姿。
お盆には、仏前に供物を盛るのにハスの葉が使われる。
お供えの菓子なども、ハスの花や葉の形をしている。
「泥中の蓮(ハス)」という言葉がありますが・・・
これは、煩悩の汚泥の中から菩提の清浄な花が咲くという意味。
花の風情に不思議な魅力を感じます。
ハスは万葉集に4首 登場するが、仏教に関することは詠まれていない。
* ハスの花 咲き終わって *
15:30
花びらや雄しべ・雌しべが散って、シャワーヘッドのような花托の中に果実が実ってくる。
その姿が、蜂の巣に似ているので「蜂巣(はちす)」と呼ばれ、、、
それが訛って「蓮(はす)」になった。
* 古代の植物の特徴を残すハスの花 *
ハスは化石として発見されるほど古くからある植物。
そのため、ハスの花には古代の植物の特徴が随所に見られるそうです。
花びらの数が多く、雄しべ・雌しべも多いが、これも古い植物に見られる特徴で。
また、ハスの花の上が平らになっているのは訳があって・・・
器用に飛び回るハチ・アブなどが登場前の時代は、コガネムシの仲間が花粉を運んでいた。
コガネムシの仲間は不器用なので花にドスンと着地。
のそのそと動きまわるので、動きやすいように花の上が平らになっているのだそう。
詳しくは ↓
視点・論点 「植物と仏教との関係」NHK 解説委員室
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/215890.html
* ハスの花の絵 *
ouna は、汚泥の中から清々しい花を咲かせるハスに不思議な魅力を感じます。
日本画を描いていた頃、ハスの虜(とりこ)になり、、、
花から蓮根までをシリーズで、60号・50号の絵を4枚描いた。。。。
はす(蓮)の花の絵 2011.08.31
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あぢさゐ(アジサイ) ** 万葉植物 ** 後編
2017.06.25 Sunday
あぢさゐ(アジサイ)
あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 前編 からの続きです。
アジサイは、日本原産の植物で、奈良時代には万葉集にわずか2首だけ詠まれている。
けれど、平安時代の古今和歌集・枕草子・源氏物語には全く登場していないようです。
平安時代の末期に和歌3首があるのですが、花としての人気がほとんどない時代が続く。。。
** 園芸種と歴史 **
鎌倉時代以降は、園芸品種としても栽培されるようになったらしいのですが。
これは、日本原産のガクアジサイが園芸化されたもので、江戸時代には一般的な庭園植物となっていた。
一方、古くに中国に渡り、そこで植栽されていたアジサイが、イギリスに導入されたのが1789年。
その後、多色の品種群がヨーロッパで改良育成されて、セイヨウアジサイ(ハイドランジア)と呼ばれ、日本に再導入された。
品種改良などとの関係はありませんが・・・
江戸時代の後期(1823年)長崎に来たドイツの医師・博物学者シーボルトは、日本の動植物を研究して、「日本植物誌」を刊行(1835年〜 )、アジサイを世界に紹介した。
シチダンカ(ヤマアジサイ系・アジサイ科) シーボルトの「日本植物誌」に紹介された。
鎌倉時代から江戸時代を通して栽培改良されていたアジサイは、素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが主だったためか、これを観賞する名所も現れず、鎌倉の紫陽花寺(明月院)などが観光の対象となったのは、第2次世界大戦(1939年〜1945年)後のことだとか。
アジサイには毒があるし、移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、人気がでなかったのでしょうか?
けれど、昔からアジサイは、くすだま(薬玉)のような魔除けの力が宿っていると信じられていたりして、花を軒先に吊るしているのを見たこともあるので、ouna にはアジサイがずっと不人気だった理由はよく分からない。n(ー_ー?)ン?
今は、アジサイの名所も多く、時期になると訪れる人で賑わう。
これがアジサイ、と思うような珍しい花が咲いていて、その姿に魅せられる。
** アジサイに思いを寄せて **
ouna が幼少の頃、家の庭に大きな手まり咲きのアジサイがあって。
梅雨の雨に打たれて咲くアジサイに、大きなカタツムリが登っていた。
4月8日の釈迦の生誕を祝う「花祭り」の日に、アマチャの葉から作った甘茶をお寺で戴いていた。
アマチャ(甘茶) ガクアジサイ(アジサイ科)の変種
梅雨の晴れ間、住宅街を通ってチャリで買い物に・・・
塀から大きな手まり咲きのアジサイが顔を覗かせているお屋敷。
玄関先に色とりどりの鉢植えを並べているお家。
マンションのベランダにも・・・。
公園にも道ばたにも、いろいろなアジサイが誇らしげに咲いています。。。(= ̄▽ ̄=)V やったね。
アジサイは挿し木で増やすことができるので、お隣さんと交換しあったりするのも楽しいですね。
** いろいろなアジサイ **
アジサイの仲間には、さまざまなタイプがありますが、よく見る品種を記しておきます。
アジサイ・ガクアジサイ・セイヨウアジサイ(ハイドランジア)・ヤマアジサイ・エゾアジサイ・コアジサイ・タマアジサイ・ノリウツギ・カシワバアジサイ
関連記事:
アジサイ(紫陽花)の絵 ・・梅雨晴れに弾むアジサイ手毬花・・ 花の絵 ouna 作
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あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 前編
2017.06.18 Sunday
あぢさゐ(アジサイ)
万葉仮名 ・・ 味狭藍 安治佐為 ・・
なぜでしょうか? あじさいは万葉集には、わずか2首しか詠まれていません。
万葉時代のあじさいは、日本に自生の原種、素朴な感じのガクアジサイとかヤマアジサイでしょう。
2首の歌のあじさいの花に寄せる思いは、まるで違っています。
下記の解釈には、ouna の独断と偏見の部分がありますが・・・m( ̄ー ̄)m
あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
橘諸兄 万葉集 [巻二十 4448]
「あじさいの花が幾重にもかさなりあって咲くように、いつまでも栄えて ください。
花を見るたびにあなたを懐かしく思いましょう」の意味。
この歌には「八重咲くごとく」とあり、
もしかしたら、自然にヤマアジサイが八重に変化したもの、ガクアジサイが手まり咲きになったものがあって、貴族の庭園などに植えられていたのかな?
両性花(中心部の花)は、小さいけれど密集して咲きますが。
でも、これらを詠っているのかどうか・・・悩みますねー n(ー_ー?)ン?
言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟らが練りのむらとにあざむかえけり
大伴家持 万葉集 [巻四 773]
「ものを言わない木でさえも、あじさいがその色を変えるように 心変わり しやすい。
諸弟らが練りに練った言葉にすっかりだまされてしまったのですよ」の意味。
あじさいは「七変化」とも呼ばれるように、花の色がいろいろと変化する。
移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、あまり好まれなかったのでしょうか・・・n(ー_ー?)ン?
こんな「あじさい」も、ずっとずっと後のことですが、もてはやされる時代が来るのです。。。((o(*^^*)o))(後編に続きます)
アジサイは観賞用として庭園などに植栽されるアジサイ科の落葉低木。花期は6〜7月。
梅雨の雨に打たれて咲く姿は趣があり、雨上りのアジサイはみずみずしくて美しい。
紫陽花(あじさい)の語源は、
「あづ(あぢ)」は集まるの意で、「さあい」は真藍のこと。
「あづ(あぢ)さあい」が転訛したものだとか。
青い花が集まって咲く様子からこの名が付いたといわれている。
あじさいを漢字では一般に「紫陽花」を当てることが多いのですが・・・
漢字の「紫陽花」は中国の寺にあった花の名前で、日本のあじさいとは異なるものらしい。
我が庭のガクアジサイ
30年近く、庭の片隅で咲く園芸種のガクアジサイ。
青い色だったのが、 今年は赤みを帯びた紫色になってきた。
アジサイは土壌の酸度が影響して花色が変わるのものがほとんど。
土壌を酸性にすれば青花になり、中性やアルカリ性の土壌では赤系の色になるそう。
アジサイの周りの大きな花が、装飾花(中性花・不稔花)で、がく(萼)が変化したもの。
中心部の多数の小さな花が、両性花(ほんとうの花)で結実する花。
装飾花が中心部の花を額縁のように囲っていることから、ガクアジサイの名が付いた。
ouna は素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが好き!
アジサイ(紫陽花)スケッチ散歩♪ ・・・神戸市立森林植物園のあじさい園で。
予告:
別ページに、あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 後編 を。
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ゆり(ヤマユリ)** 万葉植物 **
2017.06.12 Monday
ゆり(ヤマユリ)
万葉仮名 ・・ 由利 百合 ・・

道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや
万葉集 [巻七 1257]
「百合(ゆり)」は、ユリ類の総称。
万葉集では11首が詠まれているが、主に詠まれているのは、ヤマユリ・ササユリとか。
百合の花は容姿の気高さ、清楚さ、芳香で人々に愛されている。
・・・歩く姿は百合の花・・・
名の由来は、大きな花が風に「ゆる」、あるいは球根の鱗片が「より」重なるところから変じたもので、漢字の百合も鱗片が数多く重なり合うことから、などとさまざま。
ヤマユリ

百合は世界中に分布するが中でも、ヤマユリは日本原産。
本州中部から東北地方の山地に分布。
ユリ科の多年草。草丈1〜2m。花径 20〜25cm。花期は6〜8月。
花は大輪で、先が反り返り、白い花の内側に赤い斑点と黄色の線があって豪華絢爛。
ササユリと比べると力強い感じもするし、強烈な香りを放つ。。。
雄しべの濃い朱色の花粉は衣服などに付くと大変ですょ。
古来より観賞用、薬用、食用としても利用されている。
百合根(鱗茎)は、約10cmと大形で苦みがなくて甘いそう。
万葉人の百合根のレシピは・・? 百合根を詠んだ歌はないようだけど・・(○'ω'○)ん?
ouna が茶碗蒸しに入れる百合根は、北海道で栽培されているコオニユリ。
日本にはヤマユリの他にも、ササユリ・ヒメユリ・スカシユリ・カノコユリなどが自生し、夏の山野を美しく彩る。
山野に咲く百合の花が、切り花として観賞されるようになったのは室町時代から。
園芸栽培による品種改良は、観賞の歴史に比べて短く江戸時代後期になってからという。
今では、多数の園芸品種が出回っている。
人気あるオリエンタル・ハイブリッド系の百合は、日本に自生するヤマユリ・ササユリ・カノコユリを中心として改良されたもの。
2年前、大阪湾に咲く 250万輪の * ゆり * の香に酔った ・・その品種の多いのに驚いた。
ササユリ

六甲高山植物園で咲いていたササユリ。淡い紅色のも咲いていた。
葉は ササ(笹)によく似ている。
本州中部以西、特に関西地方の野山に多い。

ouna が 日本画にした百合は、ヤマユリ ・ササユリを選んでいる。
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むらさき(ムラサキ) ** 万葉植物 **
2017.06.06 Tuesday
むらさき(ムラサキ)
万葉仮名 ・・ 紫草 紫 牟良佐伎 ・・
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり
笠女郎 万葉集 [巻三 395]
この歌は、笠女郎が大伴家持に贈ったもの。
「託馬野に生えた紫草を着物に染めつけ、まだ着てもいないのに、人に知られてしまいました」
紫草になぞらえて「恋の思いが実を結ばないうちに、他人に知られてしまった」という気持ちを詠んだ歌。

5月12日(金)
ずっと以前にも訪ねたことがある奈良・春日大社の神苑「萬葉植物園」へ。
園内には、歴史のある希少な萬葉植物のほとんどが植栽され、大切に育てられている。
藤園の藤の花はすでに盛りを過ぎており、今年の最終を飾る遅咲き白野田藤のみを愛でた。
園を出ようとした時に思いがけず、現在の自然界では滅多に出会えないという植物、「むらさき(ムラサキ)」の花に会えた。
このような小さな白い花が咲く植物から紫色が!?と思ったけれど、傍の説明板を見て納得。
太い根を乾燥させると赤味を帯びた紫色になり、「紫根染」の重要な染料として使われ、名前はこれに由来すると。

紫草は古くから栽培され、万葉集に詠まれた植物の中でも代表格とされ、17首に詠まれている。
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
額田王 万葉集 [巻一 20]
額田王が大海人皇子に贈ったこの歌からは、紫草が自生地で保護栽培されていたことがよみとれる。
紫は灰さすものそ海石榴市の八十のちまたに逢へる児や誰
万葉集 [巻十二 3101]
この歌からは、紫染めには椿の木灰から採った灰汁が必要だったことがうかがえる。

紫草は、古代、貴族が着用する紫の衣服の染色に使われた。
紫色は日本だけでなく、エジプト・ギリシャ・ローマ・中国などでも、高貴な色とみなされ尊重されてきた。
また、紫根は漢方で解熱・解毒の薬、皮膚病・やけどの妙薬などにも利用される。
むらさき(ムラサキ)
万葉名 ・・ むらさき
現代名 ・・ ムラサキ
学名 ・・ Lithospermum erythrorhizon
科名 ・・ ムラサキ科
分類 ・・ 多年草 乾燥した草原に生える
草丈 ・・ 40〜90cm 茎は直立
花期 ・・ 6月〜8月
昔は各地に自生し、栽培もされていたようですが・・・
現在では、絶滅の危機にひんした希少植物で、野生種は国内に約1,000株ほどと言われている。
栽培は難しく、種が入手できたとしても株を増やしていくのは至難の業とか。
そのような貴重な紫草の根で、紫根染めをしてみたいという好奇心が湧いてきた。。。
※ 伝統的な方法で染められる「紫根染め」が紹介されています。
色の万華鏡 吉岡幸雄 監修 色の万華鏡 紫

関連記事:
万葉集に詠まれた植物
シリーズ 万葉植物 http://stop-ouna.jugem.jp/?cid=8
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ひし(ヒシ)** 万葉植物 **
2015.10.02 Friday
ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋
菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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はちす・はす(ハス)
万葉仮名 ・・ 蓮 ・・
ひさかたの雨も降らぬか蓮葉(はちすば)に溜まれる水の玉に似たる見む
万葉集 [巻十六 3837]
「雨でも降らないかなあ、蓮の葉に 溜まった水が玉のようにきらめくのを見たいからな」。
と酒宴の席で食べ物が盛られていたハスの葉を見て、即興的に歌われたもの。
「ハスの葉に溜まった水が玉のようにきらめく」と歌った感性豊かな詠み人さん。
* ハスの葉に溜まった水 玉のよう *
15:15
葉っぱの表面が水をはじき、流れ落ちる水滴が水銀のように丸まって、くぼんだ葉の中心に溜まっている。
ハスの葉には、ロータス効果(ハス効果) という自浄機構が備わっているのだそうです。
ハスに魅せられて、スケッチや絵をよく描いた ouna ですが、ロータス効果という言葉を知らなかった。
万葉人はご存知だったのでしょうか・・・。
* ハス *
午後に訪ねた万博記念公園・日本庭園のハス池、咲いたのが撮れていない。
15:28
ハス(蓮)は、インド原産のハス科・多年性水生植物。 花期は7〜8月。
蓮根や種子は食用に。種子は滋養と強壮作用、蓮根には血を浄化する作用がある。
また、ハスのほとんどの部分が薬用にされる。
ハスは、お寺の庭園の池や公園によく植えられている。
池や水田、堀などで栽培される。
開花は夜明け前後で、午後になると閉じてしまう。
この開閉を3〜4日間くり返し、花びらが散る。。。
ハスは古くから神聖な存在とされ、仏教と深い関わりを持つ植物であり。
また食用にする蓮根としても日本人になじみ深い植物である。
仏像は殆んど蓮台の上に立つか、座るかのお姿。
お盆には、仏前に供物を盛るのにハスの葉が使われる。
お供えの菓子なども、ハスの花や葉の形をしている。
「泥中の蓮(ハス)」という言葉がありますが・・・
これは、煩悩の汚泥の中から菩提の清浄な花が咲くという意味。
花の風情に不思議な魅力を感じます。
ハスは万葉集に4首 登場するが、仏教に関することは詠まれていない。
* ハスの花 咲き終わって *
15:30
花びらや雄しべ・雌しべが散って、シャワーヘッドのような花托の中に果実が実ってくる。
その姿が、蜂の巣に似ているので「蜂巣(はちす)」と呼ばれ、、、
それが訛って「蓮(はす)」になった。
* 古代の植物の特徴を残すハスの花 *
ハスは化石として発見されるほど古くからある植物。
そのため、ハスの花には古代の植物の特徴が随所に見られるそうです。
花びらの数が多く、雄しべ・雌しべも多いが、これも古い植物に見られる特徴で。
また、ハスの花の上が平らになっているのは訳があって・・・
器用に飛び回るハチ・アブなどが登場前の時代は、コガネムシの仲間が花粉を運んでいた。
コガネムシの仲間は不器用なので花にドスンと着地。
のそのそと動きまわるので、動きやすいように花の上が平らになっているのだそう。
詳しくは ↓
視点・論点 「植物と仏教との関係」NHK 解説委員室
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/215890.html
* ハスの花の絵 *
ouna は、汚泥の中から清々しい花を咲かせるハスに不思議な魅力を感じます。
日本画を描いていた頃、ハスの虜(とりこ)になり、、、
花から蓮根までをシリーズで、60号・50号の絵を4枚描いた。。。。
はす(蓮)の花の絵 2011.08.31
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あぢさゐ(アジサイ) ** 万葉植物 ** 後編
2017.06.25 Sunday
あぢさゐ(アジサイ)
あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 前編 からの続きです。
アジサイは、日本原産の植物で、奈良時代には万葉集にわずか2首だけ詠まれている。
けれど、平安時代の古今和歌集・枕草子・源氏物語には全く登場していないようです。
平安時代の末期に和歌3首があるのですが、花としての人気がほとんどない時代が続く。。。
** 園芸種と歴史 **
鎌倉時代以降は、園芸品種としても栽培されるようになったらしいのですが。
これは、日本原産のガクアジサイが園芸化されたもので、江戸時代には一般的な庭園植物となっていた。
一方、古くに中国に渡り、そこで植栽されていたアジサイが、イギリスに導入されたのが1789年。
その後、多色の品種群がヨーロッパで改良育成されて、セイヨウアジサイ(ハイドランジア)と呼ばれ、日本に再導入された。
品種改良などとの関係はありませんが・・・
江戸時代の後期(1823年)長崎に来たドイツの医師・博物学者シーボルトは、日本の動植物を研究して、「日本植物誌」を刊行(1835年〜 )、アジサイを世界に紹介した。
シチダンカ(ヤマアジサイ系・アジサイ科) シーボルトの「日本植物誌」に紹介された。
鎌倉時代から江戸時代を通して栽培改良されていたアジサイは、素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが主だったためか、これを観賞する名所も現れず、鎌倉の紫陽花寺(明月院)などが観光の対象となったのは、第2次世界大戦(1939年〜1945年)後のことだとか。
アジサイには毒があるし、移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、人気がでなかったのでしょうか?
けれど、昔からアジサイは、くすだま(薬玉)のような魔除けの力が宿っていると信じられていたりして、花を軒先に吊るしているのを見たこともあるので、ouna にはアジサイがずっと不人気だった理由はよく分からない。n(ー_ー?)ン?
今は、アジサイの名所も多く、時期になると訪れる人で賑わう。
これがアジサイ、と思うような珍しい花が咲いていて、その姿に魅せられる。
** アジサイに思いを寄せて **
ouna が幼少の頃、家の庭に大きな手まり咲きのアジサイがあって。
梅雨の雨に打たれて咲くアジサイに、大きなカタツムリが登っていた。
4月8日の釈迦の生誕を祝う「花祭り」の日に、アマチャの葉から作った甘茶をお寺で戴いていた。
アマチャ(甘茶) ガクアジサイ(アジサイ科)の変種
梅雨の晴れ間、住宅街を通ってチャリで買い物に・・・
塀から大きな手まり咲きのアジサイが顔を覗かせているお屋敷。
玄関先に色とりどりの鉢植えを並べているお家。
マンションのベランダにも・・・。
公園にも道ばたにも、いろいろなアジサイが誇らしげに咲いています。。。(= ̄▽ ̄=)V やったね。
アジサイは挿し木で増やすことができるので、お隣さんと交換しあったりするのも楽しいですね。
** いろいろなアジサイ **
アジサイの仲間には、さまざまなタイプがありますが、よく見る品種を記しておきます。
アジサイ・ガクアジサイ・セイヨウアジサイ(ハイドランジア)・ヤマアジサイ・エゾアジサイ・コアジサイ・タマアジサイ・ノリウツギ・カシワバアジサイ
関連記事:
アジサイ(紫陽花)の絵 ・・梅雨晴れに弾むアジサイ手毬花・・ 花の絵 ouna 作
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あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 前編
2017.06.18 Sunday
あぢさゐ(アジサイ)
万葉仮名 ・・ 味狭藍 安治佐為 ・・
なぜでしょうか? あじさいは万葉集には、わずか2首しか詠まれていません。
万葉時代のあじさいは、日本に自生の原種、素朴な感じのガクアジサイとかヤマアジサイでしょう。
2首の歌のあじさいの花に寄せる思いは、まるで違っています。
下記の解釈には、ouna の独断と偏見の部分がありますが・・・m( ̄ー ̄)m
あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
橘諸兄 万葉集 [巻二十 4448]
「あじさいの花が幾重にもかさなりあって咲くように、いつまでも栄えて ください。
花を見るたびにあなたを懐かしく思いましょう」の意味。
この歌には「八重咲くごとく」とあり、
もしかしたら、自然にヤマアジサイが八重に変化したもの、ガクアジサイが手まり咲きになったものがあって、貴族の庭園などに植えられていたのかな?
両性花(中心部の花)は、小さいけれど密集して咲きますが。
でも、これらを詠っているのかどうか・・・悩みますねー n(ー_ー?)ン?
言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟らが練りのむらとにあざむかえけり
大伴家持 万葉集 [巻四 773]
「ものを言わない木でさえも、あじさいがその色を変えるように 心変わり しやすい。
諸弟らが練りに練った言葉にすっかりだまされてしまったのですよ」の意味。
あじさいは「七変化」とも呼ばれるように、花の色がいろいろと変化する。
移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、あまり好まれなかったのでしょうか・・・n(ー_ー?)ン?
こんな「あじさい」も、ずっとずっと後のことですが、もてはやされる時代が来るのです。。。((o(*^^*)o))(後編に続きます)
アジサイは観賞用として庭園などに植栽されるアジサイ科の落葉低木。花期は6〜7月。
梅雨の雨に打たれて咲く姿は趣があり、雨上りのアジサイはみずみずしくて美しい。
紫陽花(あじさい)の語源は、
「あづ(あぢ)」は集まるの意で、「さあい」は真藍のこと。
「あづ(あぢ)さあい」が転訛したものだとか。
青い花が集まって咲く様子からこの名が付いたといわれている。
あじさいを漢字では一般に「紫陽花」を当てることが多いのですが・・・
漢字の「紫陽花」は中国の寺にあった花の名前で、日本のあじさいとは異なるものらしい。
我が庭のガクアジサイ
30年近く、庭の片隅で咲く園芸種のガクアジサイ。
青い色だったのが、 今年は赤みを帯びた紫色になってきた。
アジサイは土壌の酸度が影響して花色が変わるのものがほとんど。
土壌を酸性にすれば青花になり、中性やアルカリ性の土壌では赤系の色になるそう。
アジサイの周りの大きな花が、装飾花(中性花・不稔花)で、がく(萼)が変化したもの。
中心部の多数の小さな花が、両性花(ほんとうの花)で結実する花。
装飾花が中心部の花を額縁のように囲っていることから、ガクアジサイの名が付いた。
ouna は素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが好き!
アジサイ(紫陽花)スケッチ散歩♪ ・・・神戸市立森林植物園のあじさい園で。
予告:
別ページに、あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 後編 を。
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ゆり(ヤマユリ)** 万葉植物 **
2017.06.12 Monday
ゆり(ヤマユリ)
万葉仮名 ・・ 由利 百合 ・・

道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや
万葉集 [巻七 1257]
「百合(ゆり)」は、ユリ類の総称。
万葉集では11首が詠まれているが、主に詠まれているのは、ヤマユリ・ササユリとか。
百合の花は容姿の気高さ、清楚さ、芳香で人々に愛されている。
・・・歩く姿は百合の花・・・
名の由来は、大きな花が風に「ゆる」、あるいは球根の鱗片が「より」重なるところから変じたもので、漢字の百合も鱗片が数多く重なり合うことから、などとさまざま。
ヤマユリ

百合は世界中に分布するが中でも、ヤマユリは日本原産。
本州中部から東北地方の山地に分布。
ユリ科の多年草。草丈1〜2m。花径 20〜25cm。花期は6〜8月。
花は大輪で、先が反り返り、白い花の内側に赤い斑点と黄色の線があって豪華絢爛。
ササユリと比べると力強い感じもするし、強烈な香りを放つ。。。
雄しべの濃い朱色の花粉は衣服などに付くと大変ですょ。
古来より観賞用、薬用、食用としても利用されている。
百合根(鱗茎)は、約10cmと大形で苦みがなくて甘いそう。
万葉人の百合根のレシピは・・? 百合根を詠んだ歌はないようだけど・・(○'ω'○)ん?
ouna が茶碗蒸しに入れる百合根は、北海道で栽培されているコオニユリ。
日本にはヤマユリの他にも、ササユリ・ヒメユリ・スカシユリ・カノコユリなどが自生し、夏の山野を美しく彩る。
山野に咲く百合の花が、切り花として観賞されるようになったのは室町時代から。
園芸栽培による品種改良は、観賞の歴史に比べて短く江戸時代後期になってからという。
今では、多数の園芸品種が出回っている。
人気あるオリエンタル・ハイブリッド系の百合は、日本に自生するヤマユリ・ササユリ・カノコユリを中心として改良されたもの。
2年前、大阪湾に咲く 250万輪の * ゆり * の香に酔った ・・その品種の多いのに驚いた。
ササユリ

六甲高山植物園で咲いていたササユリ。淡い紅色のも咲いていた。
葉は ササ(笹)によく似ている。
本州中部以西、特に関西地方の野山に多い。

ouna が 日本画にした百合は、ヤマユリ ・ササユリを選んでいる。
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むらさき(ムラサキ) ** 万葉植物 **
2017.06.06 Tuesday
むらさき(ムラサキ)
万葉仮名 ・・ 紫草 紫 牟良佐伎 ・・
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり
笠女郎 万葉集 [巻三 395]
この歌は、笠女郎が大伴家持に贈ったもの。
「託馬野に生えた紫草を着物に染めつけ、まだ着てもいないのに、人に知られてしまいました」
紫草になぞらえて「恋の思いが実を結ばないうちに、他人に知られてしまった」という気持ちを詠んだ歌。

5月12日(金)
ずっと以前にも訪ねたことがある奈良・春日大社の神苑「萬葉植物園」へ。
園内には、歴史のある希少な萬葉植物のほとんどが植栽され、大切に育てられている。
藤園の藤の花はすでに盛りを過ぎており、今年の最終を飾る遅咲き白野田藤のみを愛でた。
園を出ようとした時に思いがけず、現在の自然界では滅多に出会えないという植物、「むらさき(ムラサキ)」の花に会えた。
このような小さな白い花が咲く植物から紫色が!?と思ったけれど、傍の説明板を見て納得。
太い根を乾燥させると赤味を帯びた紫色になり、「紫根染」の重要な染料として使われ、名前はこれに由来すると。

紫草は古くから栽培され、万葉集に詠まれた植物の中でも代表格とされ、17首に詠まれている。
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
額田王 万葉集 [巻一 20]
額田王が大海人皇子に贈ったこの歌からは、紫草が自生地で保護栽培されていたことがよみとれる。
紫は灰さすものそ海石榴市の八十のちまたに逢へる児や誰
万葉集 [巻十二 3101]
この歌からは、紫染めには椿の木灰から採った灰汁が必要だったことがうかがえる。

紫草は、古代、貴族が着用する紫の衣服の染色に使われた。
紫色は日本だけでなく、エジプト・ギリシャ・ローマ・中国などでも、高貴な色とみなされ尊重されてきた。
また、紫根は漢方で解熱・解毒の薬、皮膚病・やけどの妙薬などにも利用される。
むらさき(ムラサキ)
万葉名 ・・ むらさき
現代名 ・・ ムラサキ
学名 ・・ Lithospermum erythrorhizon
科名 ・・ ムラサキ科
分類 ・・ 多年草 乾燥した草原に生える
草丈 ・・ 40〜90cm 茎は直立
花期 ・・ 6月〜8月
昔は各地に自生し、栽培もされていたようですが・・・
現在では、絶滅の危機にひんした希少植物で、野生種は国内に約1,000株ほどと言われている。
栽培は難しく、種が入手できたとしても株を増やしていくのは至難の業とか。
そのような貴重な紫草の根で、紫根染めをしてみたいという好奇心が湧いてきた。。。
※ 伝統的な方法で染められる「紫根染め」が紹介されています。
色の万華鏡 吉岡幸雄 監修 色の万華鏡 紫

関連記事:
万葉集に詠まれた植物
シリーズ 万葉植物 http://stop-ouna.jugem.jp/?cid=8
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ひし(ヒシ)** 万葉植物 **
2015.10.02 Friday
ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋
菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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あぢさゐ(アジサイ)
あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 前編 からの続きです。
アジサイは、日本原産の植物で、奈良時代には万葉集にわずか2首だけ詠まれている。
けれど、平安時代の古今和歌集・枕草子・源氏物語には全く登場していないようです。
平安時代の末期に和歌3首があるのですが、花としての人気がほとんどない時代が続く。。。
** 園芸種と歴史 **
鎌倉時代以降は、園芸品種としても栽培されるようになったらしいのですが。
これは、日本原産のガクアジサイが園芸化されたもので、江戸時代には一般的な庭園植物となっていた。
一方、古くに中国に渡り、そこで植栽されていたアジサイが、イギリスに導入されたのが1789年。
その後、多色の品種群がヨーロッパで改良育成されて、セイヨウアジサイ(ハイドランジア)と呼ばれ、日本に再導入された。
品種改良などとの関係はありませんが・・・
江戸時代の後期(1823年)長崎に来たドイツの医師・博物学者シーボルトは、日本の動植物を研究して、「日本植物誌」を刊行(1835年〜 )、アジサイを世界に紹介した。
シチダンカ(ヤマアジサイ系・アジサイ科) シーボルトの「日本植物誌」に紹介された。
鎌倉時代から江戸時代を通して栽培改良されていたアジサイは、素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが主だったためか、これを観賞する名所も現れず、鎌倉の紫陽花寺(明月院)などが観光の対象となったのは、第2次世界大戦(1939年〜1945年)後のことだとか。
アジサイには毒があるし、移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、人気がでなかったのでしょうか?
けれど、昔からアジサイは、くすだま(薬玉)のような魔除けの力が宿っていると信じられていたりして、花を軒先に吊るしているのを見たこともあるので、ouna にはアジサイがずっと不人気だった理由はよく分からない。n(ー_ー?)ン?
今は、アジサイの名所も多く、時期になると訪れる人で賑わう。
これがアジサイ、と思うような珍しい花が咲いていて、その姿に魅せられる。
** アジサイに思いを寄せて **
ouna が幼少の頃、家の庭に大きな手まり咲きのアジサイがあって。
梅雨の雨に打たれて咲くアジサイに、大きなカタツムリが登っていた。
4月8日の釈迦の生誕を祝う「花祭り」の日に、アマチャの葉から作った甘茶をお寺で戴いていた。
アマチャ(甘茶) ガクアジサイ(アジサイ科)の変種
梅雨の晴れ間、住宅街を通ってチャリで買い物に・・・
塀から大きな手まり咲きのアジサイが顔を覗かせているお屋敷。
玄関先に色とりどりの鉢植えを並べているお家。
マンションのベランダにも・・・。
公園にも道ばたにも、いろいろなアジサイが誇らしげに咲いています。。。(= ̄▽ ̄=)V やったね。
アジサイは挿し木で増やすことができるので、お隣さんと交換しあったりするのも楽しいですね。
** いろいろなアジサイ **
アジサイの仲間には、さまざまなタイプがありますが、よく見る品種を記しておきます。
アジサイ・ガクアジサイ・セイヨウアジサイ(ハイドランジア)・ヤマアジサイ・エゾアジサイ・コアジサイ・タマアジサイ・ノリウツギ・カシワバアジサイ
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あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 前編
2017.06.18 Sunday
あぢさゐ(アジサイ)
万葉仮名 ・・ 味狭藍 安治佐為 ・・
なぜでしょうか? あじさいは万葉集には、わずか2首しか詠まれていません。
万葉時代のあじさいは、日本に自生の原種、素朴な感じのガクアジサイとかヤマアジサイでしょう。
2首の歌のあじさいの花に寄せる思いは、まるで違っています。
下記の解釈には、ouna の独断と偏見の部分がありますが・・・m( ̄ー ̄)m
あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
橘諸兄 万葉集 [巻二十 4448]
「あじさいの花が幾重にもかさなりあって咲くように、いつまでも栄えて ください。
花を見るたびにあなたを懐かしく思いましょう」の意味。
この歌には「八重咲くごとく」とあり、
もしかしたら、自然にヤマアジサイが八重に変化したもの、ガクアジサイが手まり咲きになったものがあって、貴族の庭園などに植えられていたのかな?
両性花(中心部の花)は、小さいけれど密集して咲きますが。
でも、これらを詠っているのかどうか・・・悩みますねー n(ー_ー?)ン?
言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟らが練りのむらとにあざむかえけり
大伴家持 万葉集 [巻四 773]
「ものを言わない木でさえも、あじさいがその色を変えるように 心変わり しやすい。
諸弟らが練りに練った言葉にすっかりだまされてしまったのですよ」の意味。
あじさいは「七変化」とも呼ばれるように、花の色がいろいろと変化する。
移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、あまり好まれなかったのでしょうか・・・n(ー_ー?)ン?
こんな「あじさい」も、ずっとずっと後のことですが、もてはやされる時代が来るのです。。。((o(*^^*)o))(後編に続きます)
アジサイは観賞用として庭園などに植栽されるアジサイ科の落葉低木。花期は6〜7月。
梅雨の雨に打たれて咲く姿は趣があり、雨上りのアジサイはみずみずしくて美しい。
紫陽花(あじさい)の語源は、
「あづ(あぢ)」は集まるの意で、「さあい」は真藍のこと。
「あづ(あぢ)さあい」が転訛したものだとか。
青い花が集まって咲く様子からこの名が付いたといわれている。
あじさいを漢字では一般に「紫陽花」を当てることが多いのですが・・・
漢字の「紫陽花」は中国の寺にあった花の名前で、日本のあじさいとは異なるものらしい。
我が庭のガクアジサイ
30年近く、庭の片隅で咲く園芸種のガクアジサイ。
青い色だったのが、 今年は赤みを帯びた紫色になってきた。
アジサイは土壌の酸度が影響して花色が変わるのものがほとんど。
土壌を酸性にすれば青花になり、中性やアルカリ性の土壌では赤系の色になるそう。
アジサイの周りの大きな花が、装飾花(中性花・不稔花)で、がく(萼)が変化したもの。
中心部の多数の小さな花が、両性花(ほんとうの花)で結実する花。
装飾花が中心部の花を額縁のように囲っていることから、ガクアジサイの名が付いた。
ouna は素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが好き!
アジサイ(紫陽花)スケッチ散歩♪ ・・・神戸市立森林植物園のあじさい園で。
予告:
別ページに、あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 後編 を。
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ゆり(ヤマユリ)** 万葉植物 **
2017.06.12 Monday
ゆり(ヤマユリ)
万葉仮名 ・・ 由利 百合 ・・

道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや
万葉集 [巻七 1257]
「百合(ゆり)」は、ユリ類の総称。
万葉集では11首が詠まれているが、主に詠まれているのは、ヤマユリ・ササユリとか。
百合の花は容姿の気高さ、清楚さ、芳香で人々に愛されている。
・・・歩く姿は百合の花・・・
名の由来は、大きな花が風に「ゆる」、あるいは球根の鱗片が「より」重なるところから変じたもので、漢字の百合も鱗片が数多く重なり合うことから、などとさまざま。
ヤマユリ

百合は世界中に分布するが中でも、ヤマユリは日本原産。
本州中部から東北地方の山地に分布。
ユリ科の多年草。草丈1〜2m。花径 20〜25cm。花期は6〜8月。
花は大輪で、先が反り返り、白い花の内側に赤い斑点と黄色の線があって豪華絢爛。
ササユリと比べると力強い感じもするし、強烈な香りを放つ。。。
雄しべの濃い朱色の花粉は衣服などに付くと大変ですょ。
古来より観賞用、薬用、食用としても利用されている。
百合根(鱗茎)は、約10cmと大形で苦みがなくて甘いそう。
万葉人の百合根のレシピは・・? 百合根を詠んだ歌はないようだけど・・(○'ω'○)ん?
ouna が茶碗蒸しに入れる百合根は、北海道で栽培されているコオニユリ。
日本にはヤマユリの他にも、ササユリ・ヒメユリ・スカシユリ・カノコユリなどが自生し、夏の山野を美しく彩る。
山野に咲く百合の花が、切り花として観賞されるようになったのは室町時代から。
園芸栽培による品種改良は、観賞の歴史に比べて短く江戸時代後期になってからという。
今では、多数の園芸品種が出回っている。
人気あるオリエンタル・ハイブリッド系の百合は、日本に自生するヤマユリ・ササユリ・カノコユリを中心として改良されたもの。
2年前、大阪湾に咲く 250万輪の * ゆり * の香に酔った ・・その品種の多いのに驚いた。
ササユリ

六甲高山植物園で咲いていたササユリ。淡い紅色のも咲いていた。
葉は ササ(笹)によく似ている。
本州中部以西、特に関西地方の野山に多い。

ouna が 日本画にした百合は、ヤマユリ ・ササユリを選んでいる。
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むらさき(ムラサキ) ** 万葉植物 **
2017.06.06 Tuesday
むらさき(ムラサキ)
万葉仮名 ・・ 紫草 紫 牟良佐伎 ・・
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり
笠女郎 万葉集 [巻三 395]
この歌は、笠女郎が大伴家持に贈ったもの。
「託馬野に生えた紫草を着物に染めつけ、まだ着てもいないのに、人に知られてしまいました」
紫草になぞらえて「恋の思いが実を結ばないうちに、他人に知られてしまった」という気持ちを詠んだ歌。

5月12日(金)
ずっと以前にも訪ねたことがある奈良・春日大社の神苑「萬葉植物園」へ。
園内には、歴史のある希少な萬葉植物のほとんどが植栽され、大切に育てられている。
藤園の藤の花はすでに盛りを過ぎており、今年の最終を飾る遅咲き白野田藤のみを愛でた。
園を出ようとした時に思いがけず、現在の自然界では滅多に出会えないという植物、「むらさき(ムラサキ)」の花に会えた。
このような小さな白い花が咲く植物から紫色が!?と思ったけれど、傍の説明板を見て納得。
太い根を乾燥させると赤味を帯びた紫色になり、「紫根染」の重要な染料として使われ、名前はこれに由来すると。

紫草は古くから栽培され、万葉集に詠まれた植物の中でも代表格とされ、17首に詠まれている。
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
額田王 万葉集 [巻一 20]
額田王が大海人皇子に贈ったこの歌からは、紫草が自生地で保護栽培されていたことがよみとれる。
紫は灰さすものそ海石榴市の八十のちまたに逢へる児や誰
万葉集 [巻十二 3101]
この歌からは、紫染めには椿の木灰から採った灰汁が必要だったことがうかがえる。

紫草は、古代、貴族が着用する紫の衣服の染色に使われた。
紫色は日本だけでなく、エジプト・ギリシャ・ローマ・中国などでも、高貴な色とみなされ尊重されてきた。
また、紫根は漢方で解熱・解毒の薬、皮膚病・やけどの妙薬などにも利用される。
むらさき(ムラサキ)
万葉名 ・・ むらさき
現代名 ・・ ムラサキ
学名 ・・ Lithospermum erythrorhizon
科名 ・・ ムラサキ科
分類 ・・ 多年草 乾燥した草原に生える
草丈 ・・ 40〜90cm 茎は直立
花期 ・・ 6月〜8月
昔は各地に自生し、栽培もされていたようですが・・・
現在では、絶滅の危機にひんした希少植物で、野生種は国内に約1,000株ほどと言われている。
栽培は難しく、種が入手できたとしても株を増やしていくのは至難の業とか。
そのような貴重な紫草の根で、紫根染めをしてみたいという好奇心が湧いてきた。。。
※ 伝統的な方法で染められる「紫根染め」が紹介されています。
色の万華鏡 吉岡幸雄 監修 色の万華鏡 紫

関連記事:
万葉集に詠まれた植物
シリーズ 万葉植物 http://stop-ouna.jugem.jp/?cid=8
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ひし(ヒシ)** 万葉植物 **
2015.10.02 Friday
ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋
菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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あぢさゐ(アジサイ)
万葉仮名 ・・ 味狭藍 安治佐為 ・・
なぜでしょうか? あじさいは万葉集には、わずか2首しか詠まれていません。
万葉時代のあじさいは、日本に自生の原種、素朴な感じのガクアジサイとかヤマアジサイでしょう。
2首の歌のあじさいの花に寄せる思いは、まるで違っています。
下記の解釈には、ouna の独断と偏見の部分がありますが・・・m( ̄ー ̄)m
あぢさゐの八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ
橘諸兄 万葉集 [巻二十 4448]
「あじさいの花が幾重にもかさなりあって咲くように、いつまでも栄えて ください。
花を見るたびにあなたを懐かしく思いましょう」の意味。
この歌には「八重咲くごとく」とあり、
もしかしたら、自然にヤマアジサイが八重に変化したもの、ガクアジサイが手まり咲きになったものがあって、貴族の庭園などに植えられていたのかな?
両性花(中心部の花)は、小さいけれど密集して咲きますが。
でも、これらを詠っているのかどうか・・・悩みますねー n(ー_ー?)ン?
言問はぬ木すらあぢさゐ諸弟らが練りのむらとにあざむかえけり
大伴家持 万葉集 [巻四 773]
「ものを言わない木でさえも、あじさいがその色を変えるように 心変わり しやすい。
諸弟らが練りに練った言葉にすっかりだまされてしまったのですよ」の意味。
あじさいは「七変化」とも呼ばれるように、花の色がいろいろと変化する。
移り気・不誠実・裏切りなどの良くないイメージで、あまり好まれなかったのでしょうか・・・n(ー_ー?)ン?
こんな「あじさい」も、ずっとずっと後のことですが、もてはやされる時代が来るのです。。。((o(*^^*)o))(後編に続きます)
アジサイは観賞用として庭園などに植栽されるアジサイ科の落葉低木。花期は6〜7月。
梅雨の雨に打たれて咲く姿は趣があり、雨上りのアジサイはみずみずしくて美しい。
紫陽花(あじさい)の語源は、
「あづ(あぢ)」は集まるの意で、「さあい」は真藍のこと。
「あづ(あぢ)さあい」が転訛したものだとか。
青い花が集まって咲く様子からこの名が付いたといわれている。
あじさいを漢字では一般に「紫陽花」を当てることが多いのですが・・・
漢字の「紫陽花」は中国の寺にあった花の名前で、日本のあじさいとは異なるものらしい。
我が庭のガクアジサイ
30年近く、庭の片隅で咲く園芸種のガクアジサイ。
青い色だったのが、 今年は赤みを帯びた紫色になってきた。
アジサイは土壌の酸度が影響して花色が変わるのものがほとんど。
土壌を酸性にすれば青花になり、中性やアルカリ性の土壌では赤系の色になるそう。
アジサイの周りの大きな花が、装飾花(中性花・不稔花)で、がく(萼)が変化したもの。
中心部の多数の小さな花が、両性花(ほんとうの花)で結実する花。
装飾花が中心部の花を額縁のように囲っていることから、ガクアジサイの名が付いた。
ouna は素朴なガクアジサイ・ヤマアジサイが好き!
アジサイ(紫陽花)スケッチ散歩♪ ・・・神戸市立森林植物園のあじさい園で。
予告:
別ページに、あぢさゐ(アジサイ)** 万葉植物 ** 後編 を。
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ゆり(ヤマユリ)** 万葉植物 **
2017.06.12 Monday
ゆり(ヤマユリ)
万葉仮名 ・・ 由利 百合 ・・

道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや
万葉集 [巻七 1257]
「百合(ゆり)」は、ユリ類の総称。
万葉集では11首が詠まれているが、主に詠まれているのは、ヤマユリ・ササユリとか。
百合の花は容姿の気高さ、清楚さ、芳香で人々に愛されている。
・・・歩く姿は百合の花・・・
名の由来は、大きな花が風に「ゆる」、あるいは球根の鱗片が「より」重なるところから変じたもので、漢字の百合も鱗片が数多く重なり合うことから、などとさまざま。
ヤマユリ

百合は世界中に分布するが中でも、ヤマユリは日本原産。
本州中部から東北地方の山地に分布。
ユリ科の多年草。草丈1〜2m。花径 20〜25cm。花期は6〜8月。
花は大輪で、先が反り返り、白い花の内側に赤い斑点と黄色の線があって豪華絢爛。
ササユリと比べると力強い感じもするし、強烈な香りを放つ。。。
雄しべの濃い朱色の花粉は衣服などに付くと大変ですょ。
古来より観賞用、薬用、食用としても利用されている。
百合根(鱗茎)は、約10cmと大形で苦みがなくて甘いそう。
万葉人の百合根のレシピは・・? 百合根を詠んだ歌はないようだけど・・(○'ω'○)ん?
ouna が茶碗蒸しに入れる百合根は、北海道で栽培されているコオニユリ。
日本にはヤマユリの他にも、ササユリ・ヒメユリ・スカシユリ・カノコユリなどが自生し、夏の山野を美しく彩る。
山野に咲く百合の花が、切り花として観賞されるようになったのは室町時代から。
園芸栽培による品種改良は、観賞の歴史に比べて短く江戸時代後期になってからという。
今では、多数の園芸品種が出回っている。
人気あるオリエンタル・ハイブリッド系の百合は、日本に自生するヤマユリ・ササユリ・カノコユリを中心として改良されたもの。
2年前、大阪湾に咲く 250万輪の * ゆり * の香に酔った ・・その品種の多いのに驚いた。
ササユリ

六甲高山植物園で咲いていたササユリ。淡い紅色のも咲いていた。
葉は ササ(笹)によく似ている。
本州中部以西、特に関西地方の野山に多い。

ouna が 日本画にした百合は、ヤマユリ ・ササユリを選んでいる。
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むらさき(ムラサキ) ** 万葉植物 **
2017.06.06 Tuesday
むらさき(ムラサキ)
万葉仮名 ・・ 紫草 紫 牟良佐伎 ・・
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり
笠女郎 万葉集 [巻三 395]
この歌は、笠女郎が大伴家持に贈ったもの。
「託馬野に生えた紫草を着物に染めつけ、まだ着てもいないのに、人に知られてしまいました」
紫草になぞらえて「恋の思いが実を結ばないうちに、他人に知られてしまった」という気持ちを詠んだ歌。

5月12日(金)
ずっと以前にも訪ねたことがある奈良・春日大社の神苑「萬葉植物園」へ。
園内には、歴史のある希少な萬葉植物のほとんどが植栽され、大切に育てられている。
藤園の藤の花はすでに盛りを過ぎており、今年の最終を飾る遅咲き白野田藤のみを愛でた。
園を出ようとした時に思いがけず、現在の自然界では滅多に出会えないという植物、「むらさき(ムラサキ)」の花に会えた。
このような小さな白い花が咲く植物から紫色が!?と思ったけれど、傍の説明板を見て納得。
太い根を乾燥させると赤味を帯びた紫色になり、「紫根染」の重要な染料として使われ、名前はこれに由来すると。

紫草は古くから栽培され、万葉集に詠まれた植物の中でも代表格とされ、17首に詠まれている。
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
額田王 万葉集 [巻一 20]
額田王が大海人皇子に贈ったこの歌からは、紫草が自生地で保護栽培されていたことがよみとれる。
紫は灰さすものそ海石榴市の八十のちまたに逢へる児や誰
万葉集 [巻十二 3101]
この歌からは、紫染めには椿の木灰から採った灰汁が必要だったことがうかがえる。

紫草は、古代、貴族が着用する紫の衣服の染色に使われた。
紫色は日本だけでなく、エジプト・ギリシャ・ローマ・中国などでも、高貴な色とみなされ尊重されてきた。
また、紫根は漢方で解熱・解毒の薬、皮膚病・やけどの妙薬などにも利用される。
むらさき(ムラサキ)
万葉名 ・・ むらさき
現代名 ・・ ムラサキ
学名 ・・ Lithospermum erythrorhizon
科名 ・・ ムラサキ科
分類 ・・ 多年草 乾燥した草原に生える
草丈 ・・ 40〜90cm 茎は直立
花期 ・・ 6月〜8月
昔は各地に自生し、栽培もされていたようですが・・・
現在では、絶滅の危機にひんした希少植物で、野生種は国内に約1,000株ほどと言われている。
栽培は難しく、種が入手できたとしても株を増やしていくのは至難の業とか。
そのような貴重な紫草の根で、紫根染めをしてみたいという好奇心が湧いてきた。。。
※ 伝統的な方法で染められる「紫根染め」が紹介されています。
色の万華鏡 吉岡幸雄 監修 色の万華鏡 紫

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ひし(ヒシ)** 万葉植物 **
2015.10.02 Friday
ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋
菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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ゆり(ヤマユリ)
万葉仮名 ・・ 由利 百合 ・・
道の辺の草深百合の花笑みに笑みしがからに妻と言ふべしや
万葉集 [巻七 1257]
「百合(ゆり)」は、ユリ類の総称。
万葉集では11首が詠まれているが、主に詠まれているのは、ヤマユリ・ササユリとか。
百合の花は容姿の気高さ、清楚さ、芳香で人々に愛されている。
・・・歩く姿は百合の花・・・
名の由来は、大きな花が風に「ゆる」、あるいは球根の鱗片が「より」重なるところから変じたもので、漢字の百合も鱗片が数多く重なり合うことから、などとさまざま。
ヤマユリ
百合は世界中に分布するが中でも、ヤマユリは日本原産。
本州中部から東北地方の山地に分布。
ユリ科の多年草。草丈1〜2m。花径 20〜25cm。花期は6〜8月。
花は大輪で、先が反り返り、白い花の内側に赤い斑点と黄色の線があって豪華絢爛。
ササユリと比べると力強い感じもするし、強烈な香りを放つ。。。
雄しべの濃い朱色の花粉は衣服などに付くと大変ですょ。
古来より観賞用、薬用、食用としても利用されている。
百合根(鱗茎)は、約10cmと大形で苦みがなくて甘いそう。
万葉人の百合根のレシピは・・? 百合根を詠んだ歌はないようだけど・・(○'ω'○)ん?
ouna が茶碗蒸しに入れる百合根は、北海道で栽培されているコオニユリ。
日本にはヤマユリの他にも、ササユリ・ヒメユリ・スカシユリ・カノコユリなどが自生し、夏の山野を美しく彩る。
山野に咲く百合の花が、切り花として観賞されるようになったのは室町時代から。
園芸栽培による品種改良は、観賞の歴史に比べて短く江戸時代後期になってからという。
今では、多数の園芸品種が出回っている。
人気あるオリエンタル・ハイブリッド系の百合は、日本に自生するヤマユリ・ササユリ・カノコユリを中心として改良されたもの。
2年前、大阪湾に咲く 250万輪の * ゆり * の香に酔った ・・その品種の多いのに驚いた。
ササユリ
六甲高山植物園で咲いていたササユリ。淡い紅色のも咲いていた。
葉は ササ(笹)によく似ている。
本州中部以西、特に関西地方の野山に多い。
ouna が 日本画にした百合は、ヤマユリ ・ササユリを選んでいる。
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むらさき(ムラサキ) ** 万葉植物 **
2017.06.06 Tuesday
むらさき(ムラサキ)
万葉仮名 ・・ 紫草 紫 牟良佐伎 ・・
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり
笠女郎 万葉集 [巻三 395]
この歌は、笠女郎が大伴家持に贈ったもの。
「託馬野に生えた紫草を着物に染めつけ、まだ着てもいないのに、人に知られてしまいました」
紫草になぞらえて「恋の思いが実を結ばないうちに、他人に知られてしまった」という気持ちを詠んだ歌。

5月12日(金)
ずっと以前にも訪ねたことがある奈良・春日大社の神苑「萬葉植物園」へ。
園内には、歴史のある希少な萬葉植物のほとんどが植栽され、大切に育てられている。
藤園の藤の花はすでに盛りを過ぎており、今年の最終を飾る遅咲き白野田藤のみを愛でた。
園を出ようとした時に思いがけず、現在の自然界では滅多に出会えないという植物、「むらさき(ムラサキ)」の花に会えた。
このような小さな白い花が咲く植物から紫色が!?と思ったけれど、傍の説明板を見て納得。
太い根を乾燥させると赤味を帯びた紫色になり、「紫根染」の重要な染料として使われ、名前はこれに由来すると。

紫草は古くから栽培され、万葉集に詠まれた植物の中でも代表格とされ、17首に詠まれている。
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
額田王 万葉集 [巻一 20]
額田王が大海人皇子に贈ったこの歌からは、紫草が自生地で保護栽培されていたことがよみとれる。
紫は灰さすものそ海石榴市の八十のちまたに逢へる児や誰
万葉集 [巻十二 3101]
この歌からは、紫染めには椿の木灰から採った灰汁が必要だったことがうかがえる。

紫草は、古代、貴族が着用する紫の衣服の染色に使われた。
紫色は日本だけでなく、エジプト・ギリシャ・ローマ・中国などでも、高貴な色とみなされ尊重されてきた。
また、紫根は漢方で解熱・解毒の薬、皮膚病・やけどの妙薬などにも利用される。
むらさき(ムラサキ)
万葉名 ・・ むらさき
現代名 ・・ ムラサキ
学名 ・・ Lithospermum erythrorhizon
科名 ・・ ムラサキ科
分類 ・・ 多年草 乾燥した草原に生える
草丈 ・・ 40〜90cm 茎は直立
花期 ・・ 6月〜8月
昔は各地に自生し、栽培もされていたようですが・・・
現在では、絶滅の危機にひんした希少植物で、野生種は国内に約1,000株ほどと言われている。
栽培は難しく、種が入手できたとしても株を増やしていくのは至難の業とか。
そのような貴重な紫草の根で、紫根染めをしてみたいという好奇心が湧いてきた。。。
※ 伝統的な方法で染められる「紫根染め」が紹介されています。
色の万華鏡 吉岡幸雄 監修 色の万華鏡 紫

関連記事:
万葉集に詠まれた植物
シリーズ 万葉植物 http://stop-ouna.jugem.jp/?cid=8
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ひし(ヒシ)** 万葉植物 **
2015.10.02 Friday
ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋
菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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むらさき(ムラサキ)
万葉仮名 ・・ 紫草 紫 牟良佐伎 ・・
託馬野に生ふる紫草衣に染めいまだ着ずして色に出でにけり
笠女郎 万葉集 [巻三 395]
この歌は、笠女郎が大伴家持に贈ったもの。
「託馬野に生えた紫草を着物に染めつけ、まだ着てもいないのに、人に知られてしまいました」
紫草になぞらえて「恋の思いが実を結ばないうちに、他人に知られてしまった」という気持ちを詠んだ歌。
5月12日(金)
ずっと以前にも訪ねたことがある奈良・春日大社の神苑「萬葉植物園」へ。
園内には、歴史のある希少な萬葉植物のほとんどが植栽され、大切に育てられている。
藤園の藤の花はすでに盛りを過ぎており、今年の最終を飾る遅咲き白野田藤のみを愛でた。
園を出ようとした時に思いがけず、現在の自然界では滅多に出会えないという植物、「むらさき(ムラサキ)」の花に会えた。
このような小さな白い花が咲く植物から紫色が!?と思ったけれど、傍の説明板を見て納得。
太い根を乾燥させると赤味を帯びた紫色になり、「紫根染」の重要な染料として使われ、名前はこれに由来すると。
紫草は古くから栽培され、万葉集に詠まれた植物の中でも代表格とされ、17首に詠まれている。
あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや君が袖振る
額田王 万葉集 [巻一 20]
額田王が大海人皇子に贈ったこの歌からは、紫草が自生地で保護栽培されていたことがよみとれる。
紫は灰さすものそ海石榴市の八十のちまたに逢へる児や誰
万葉集 [巻十二 3101]
この歌からは、紫染めには椿の木灰から採った灰汁が必要だったことがうかがえる。
紫草は、古代、貴族が着用する紫の衣服の染色に使われた。
紫色は日本だけでなく、エジプト・ギリシャ・ローマ・中国などでも、高貴な色とみなされ尊重されてきた。
また、紫根は漢方で解熱・解毒の薬、皮膚病・やけどの妙薬などにも利用される。
むらさき(ムラサキ)
万葉名 ・・ むらさき
現代名 ・・ ムラサキ
学名 ・・ Lithospermum erythrorhizon
科名 ・・ ムラサキ科
分類 ・・ 多年草 乾燥した草原に生える
草丈 ・・ 40〜90cm 茎は直立
花期 ・・ 6月〜8月
昔は各地に自生し、栽培もされていたようですが・・・
現在では、絶滅の危機にひんした希少植物で、野生種は国内に約1,000株ほどと言われている。
栽培は難しく、種が入手できたとしても株を増やしていくのは至難の業とか。
そのような貴重な紫草の根で、紫根染めをしてみたいという好奇心が湧いてきた。。。
※ 伝統的な方法で染められる「紫根染め」が紹介されています。
色の万華鏡 吉岡幸雄 監修 色の万華鏡 紫
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万葉集に詠まれた植物
シリーズ 万葉植物 http://stop-ouna.jugem.jp/?cid=8
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ひし(ヒシ)** 万葉植物 **
2015.10.02 Friday
ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋
菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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ひし(ヒシ)
Trapa japonica
豊国の企救の池なる菱の末(うれ)を摘むとや妹がみ袖濡れけむ
豊 前 国の白水郎 万葉集 [巻十六 3876]
◆
大覚寺へ月見に行って、名月が映り込む大沢池の水面をおおっている菱(ヒシ)を見た。
蓮(ハス)と共に池の東の部分をおおい尽くしている。
このように繁茂している菱を見たのは、子供のころ以来のことだった。
ouna の生家の前、国道を越えると池があって、水面を菱がおおっていた。
その池で夏になると水遊びをしながら、菱の実を採って生のまま食べたが、味は思い出せない。
塩ゆでや焼いて食べると栗の実のような味がするらしい。
万葉人は菱の実をどのようにして食していたのでしょう。。。ヾ(@~▽~@)ノ
菱は池の水底から細い茎を伸ばし、夏に水面に葉を放射状に広げ、水面をおおう一年生の水草。
7〜9月ごろに、白い小さな花が菱形状の葉の間から顔をのぞかせる。
花が終わると柄がのび、水中に没する。萼片は前後の2枚は脱落するが、左右の2枚は残り、果実のとげとなる。
果実の若い時の表面は緑色だが、やがて黒く固いものになる。
三角形の果実に2本の鋭いとげが、まるで手裏剣のようで触ると痛い。
菱の種類によって、とげの本数は違うようですが・・・。
※ 菱の画像は、2015年9月26日夕方に、 大覚寺の大沢池で撮影。
菱紋



菱紋は、菱の実または葉を図案化したものともいわれる。
◆
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)** 万葉植物 **
2015.07.29 Wednesday
わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso

忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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わすれぐさ(ヤブカンゾウ)
Hemerocallis fulva var. kwanso
忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
大伴旅人 万葉集 [巻三 334]
この歌は大伴旅人が九州・大宰府の長官だった頃の作。
「忘れ草」を身につけておくと「憂いを忘れる」という中国の故事にならって詠んだ。
「忘れ草」は萱草のことで、「萱」は中国では「忘れる」という意味。
昔、中国では萱草を「忘憂草」ともいい、この花を見たり身につけたりすると、、、
世の中のいやなことが忘れられるとして大切にされていたそうです。
古い時代に中国から渡来した萱草は万葉集にも詠われ、人々に親しまれていたよう。
萱草(カンゾウ)は、田の畦や土手などに生え、ユリに似た花をつける多年草。
7〜8月に朱や橙の鮮やかな色で咲くが、花が一日でしぼむ一日花。
八重咲きは「藪萱草(ヤブカンゾウ)」、一重咲きは「野萱草(ノカンゾウ)」と呼ぶ。
大伴旅人が詠んだ「忘れ草」を探しに、チャリで少し遠出をしたけれど見つからなかった。
諦めかけていたところ、N公園の花壇で見つけた。
八重咲きの藪萱草(ヤブカンゾウ)が、梅雨の長雨に濡れてしっとりと咲いていた。
ヤブカンゾウは、花びらがカールしてもつれるようになっている。
雄しべが花びらのように変化し種子はできないとか。
萱草の若芽、つぼみや花は甘味とぬめりがあって、くせがなく美味しいそう。
万葉人も食していた萱草類、ouna も食してみたい。
ヤブカンゾウを見つけて嬉しくて、撮った写真を毎日眺めている ouna。
憂いだけを忘れればいいけれど、大事なことも忘れたらどうしよう、と心配になってきた。
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つぎね(フタリシズカ * ヒトリシズカ)** 万葉植物 **
2015.06.19 Friday
つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus

(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus

(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
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一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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つぎね(フタリシズカ)・ つぎね(ヒトリシズカ) センリョウ科.
万葉仮名 次嶺.
つぎねふ 山背道(やましろぢ)を 他夫(ひとづま)の 馬より行くに己夫(おのづま)し 徒歩より行けば 見るごとに 音のみし泣かゆ ‥‥‥(長歌)
万葉集 [巻十三 3314]
「つぎね」は、古来様々な解釈がされているそうです。
「数多く続く嶺々」とか「つぎねの生えている場所」で、植物名ではなく・・・。
植物では、「二人静」「一人静」などの説があるそうです。
フタリシズカ(二人静)
Chloranthus serratus
(2015.05.27 六甲高山植物園で)
フタリシズカ(二人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜6月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の野や浅い山に自生。
茎の高さは50cm近くになる。
上部の2対の葉は輪生しているように見えるが、節間がやや開いている。
茎の先に2本、時には数本の小さな白花を点々とつけた花穂を出す。
花糸の先は後述の一人静のように糸状に伸びない。
数本も花穂をあげる株もあるようですが、ouna が撮った二人静の群生は1本花穂が多い。
1本花穂のは、何と呼べばいいのだろう。。。=^-^=うふっ♪
二人静の名前は、花穂が2本並んで咲くところから。
また、謡曲の「二人静」で、静御前の霊と、その霊にとりつかれた菜摘女(なつみめ)とが二人で舞う姿にたとえられて、つけられたそう。
ヒトリシズカ(一人静)
Chloranthus japonicus
(2012.05.29 六甲高山植物園で)
ヒトリシズカ(一人静)-- センリョウ科.
多年草・花期 4〜5月.
薬用植物.
北海道、本州、四国、九州の山野の木陰にひっそりと群生する。
春、赤紫色の若葉の間に白色の花穂をつける。
短く横にはう根茎から数本から多数の茎が直立し、高さ15〜30cm。
節間が短いため、輪生するように見える4枚の葉の間から、普通は1本の穂状花序を伸ばし多数の花をつける。
花は花被がなく、3本のおしべと1本のめしべだけ。
3本のおしべは花糸の下部が合着、上部は線形の3片となるので、眉掃のようにも見える。
別名「眉掃草」とも呼ばれる。
茎は高さ30cmまでも伸びるが、咲き始めの草丈10cmほどの若葉の頃が最も美しいとか。
ouna は見たことがないのですが・・・いつか、会える日を夢見ています。
一人静は「吉野静」の名でも呼ばれ、吉野山に舞う静御前の姿に見立てたものといわれる。
以前に六甲高山植物園で見た一人静、目を閉じて静御前の舞姿を思い浮かべてみよう。。。
アップしたフタリシズカ・ヒトリシズカの画像は、離れての撮影で細かい部分は見られませんが、百科事典などで調べて、花のつくりなどが理解できた。
関連記事
一人静は静御前の舞姿、二人静も舞姿!? 2012.06.27
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うはぎ(ヨメナ)** 万葉植物 **
2015.01.19 Monday
うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


(2012.04.30 17:08)
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うはぎ(ヨメナ)



春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
万葉集 [巻十 1879]
「うはぎ」は万葉名。嫁菜(ヨメナ)のこと。
万葉の頃から代表的な春の摘み草で、食用にされていたことが歌から うかがえる。
嫁菜(ヨメナ)は秋に、分枝した枝先に径3cmほどの淡紫色・白色の花を咲かせる。
「カントウヨメナ(関東嫁菜)」「ミヤマヨメナ(深山嫁菜)」「ノコンギク(野紺菊)」など、一般に「野菊」と呼ばれているが、見分けるのが難しいようです。
春の摘み草としては、区別せずに利用できるそう。
3月頃に、若芽を摘んで、おひたし、あえもの、てんぷら、炒めもの、嫁菜飯などに。
ouna は食したことはないのですが、菊の葉に苦味があるように、嫁菜にもアクがあるかも知れません。
民間薬として、茎を煎じて解熱・利尿などに用いる。
「嫁菜(ヨメナ)」の名の由来は、諸説があるようですが、美しく優しい花を咲かせるので、「嫁」の名が付けられたのでしょうか・・・(*'ー'*)

うはぎ(ヨメナ)として載せている画像は、昨年10月に、旅行した 信州 駒ヶ根高原の道端で群生して咲いていたもの。
それまで、嫁菜さん、嫁菜さん、嫁さ〜ん、と探していた。
やっと、それらしき2種類の花に会えたのですが、果たしてヨメナ(嫁菜)かな?
どちらも違うかも知れません。(;¬д¬)
見分けることができなくて、ずっと非公開にしていたのですが、もう限界、このままエントリーします。
ヨメナは黄色い筒状花の冠毛が非常に短いのが特徴とか。
今年のヨメナが咲く頃に、きっと見分けてみせます。。。p(●`∇´●)q

ヨメナ(嫁菜)-- キク科
多年草・花期 7〜10月.
本州中部以西、四国、九州に分布.
畦道や川の縁など、やや湿っていて日当たりのよいところに生える。

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かたかご(カタクリ)** 万葉植物 **
2014.05.08 Thursday
かたかご(カタクリ)

もののふの八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花
大伴家持 万葉集 [巻十九 4143]
万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥
六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

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(2012.04.30 17:08)
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万葉集に詠まれている「堅香子(かたかご)」は、片栗(カタクリ)のことで、根茎から澱粉を採って片栗粉にした。
今は、量産できるジャガイモで代用されている。

カタクリの花に片思いの ouna ‥‥

六甲高山植物園へ今年も会いに行ってきました。
折悪しく、いつも曇っていたり寒かったりで、あでやかな顔を、なかなか見せてくれない春の妖精たち。

カタクリの花は、春まだ浅い山中に枯葉をもたげて芽吹き、あでやかに咲く。
晴れた日に、6枚の花被片を大きくそり返し、うつむき加減に咲くが、夕方になり日が陰ると眠り姫のように閉じてしまう。
そして、花が終わると、とけるように地上部がなくなり、翌春まで長い休眠に入る。
カタクリは種子を蒔いて花が咲くまでに7年もかかるという。
葉は2枚で、暗紫色の鹿の子のような斑点模様がある。
ところが、花をつけるまでは1枚の葉しか地表に出さず「片葉」だけ。
なので、別名「かたこ」「かたこ百合」とも呼ばれているとか。

カタクリ(ユリ科) Erythronium japonicum
北海道、本州、四国、九州の山地.
花期 4〜6月(六甲高山植物園では3〜4月)

< 秋田県田沢湖近くの刺巻湿原 ミズバショウ群生地で見たカタクリの群生 >


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