うり(マクワウリ) ** 万葉植物 **
2020.08.06 Thursday
うり(マクワウリ)
万葉仮名 -- 宇r利
真桑瓜(マクワウリ)
マクワウリの花 ウイキペディアより拝借
瓜食(うりは)めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲(しぬ)はゆいづくより来りしものそまなかひにもとなかかりて安眠(やすい)しなさぬ
山上憶良 万葉集 [巻五 802]
「瓜を食べれば、子供に食べさせたいと思って子供のことが思い出されるし、栗を食べれば一層子供のことがいとしく思われてならない。子供は可愛いものだなあ。いったいどこから来たのだろう、子供のことが目の前にちらついて安眠もできない」
京に残してきた子供らを思い出して詠んだ歌。
「瓜」は今の真桑瓜のこと。
上記の歌は長歌ですが、後にとても有名な 反歌 (短歌)が続きます。
銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに優れる宝子にしかめやも
「金も銀も珠玉も、子にまさるものはありませんよ。子は宝です」
マクワウリ(真桑瓜)
Cucumis melo var. makuwa
初夏の果物(果物的野菜)として親しまれたきたウリ科の一年草。
日本での発祥の地は、岐阜県本巣市真桑地区(旧地名 岐阜県本巣郡真桑村)。
「真桑瓜」の名称は地名にちなんで付けられた。
古くは「甜瓜」と書き、カラウリ・アジウリ(味瓜)とも呼ばれた。
アフリカ原産のメロン類がインドを経て紀元前に中国に伝わり分化したもので。
華北を中心として発達し、5世紀ごろには多くの品種が育成されたといわれる。
日本への渡来は明らかでないが、応神天皇のころ朝鮮からの使者や帰化人によって伝えられたともいわれている。
岐阜県本巣市真桑地区では、西暦2世紀ごろにマクワウリの栽培が始まったという言い伝えがあり、ほとんどの農家が栽培していた。
ところが1962年ごろに、マクワウリとネット系メロンを交配させた甘い 「プリンスメロン」が登場。
さらにアンデスメロン・アムスメロンなどのネット系メロンに追いやられ姿を消した。
70年代以降は地元でも忘れられた果物となった。
けれど、今も「真桑の名がつく伝統の果物」を栽培しているところもあるようです。
マクワウリ イラスト
マクワウリの茎は、有毛のつる性でよく分枝し、浅く5裂した葉を互生する。
普通親づる、子づるには雄花が着生し、孫づるの1節目から2節目に果実となる両性花がつく。
開花は6〜7月。収穫は7〜9月。
果実は丸・楕円・円筒形などがあり、果皮は品種によって熟すると白・黄・黄緑・緑などになる。
上品な甘さと芳香、シャキッとした歯ざわり、特に種の周りは軟らかくて美味しい。
マクワウリの未成熟果実は苦味があり、薬用にされる。
最近は店頭であまり見かけなくなっていますが、黄金色のマクワウリを「マッカ」と呼んで、子供のころによく食べた。
古事記・万葉集にも登場。織田信長も愛した「マクワウリ」は、昔なつかしの果物です。
※ 参考文献:平凡社大百科辞典 2005年8月23日 毎日新聞記事
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コメント
☆ 藤の花さま
そうですね。 スイカの未熟果実やマクワウリの未熟なの、お漬物になりますね。
| Ouna | 2020/08/08 8:26 AM |
マクワウリ:懐かしいです。お漬物などで子供からよく食べていました。そう言えば最近食べて無いです。売っているのでしょうかね。
| 藤の花 | 2020/08/07 1:18 PM |
☆ AKAZUKINさま
植物は花の色を来て欲しい昆虫などに合わせて変えているとされています。
昆虫たちは黄色い色に敏感だといわれています。
紫外線を含む青や紫の短波長の光には昆虫は反応し易く、赤色の様な長波長の光には反応が鈍い。
人には黄色い花や白い花も昆虫には淡い青色に写るらしいです。
| Ouna | 2020/08/06 8:32 PM |
黄色い花がかわいいですね!
夏の花って黄色が多いですね・・・
何か理由があるのかなぁー、とふと思いました!
| AKAZUKIN | 2020/08/06 8:49 AM |
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うり(マクワウリ)
万葉仮名 -- 宇r利
真桑瓜(マクワウリ)
マクワウリの花 ウイキペディアより拝借
瓜食(うりは)めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲(しぬ)はゆいづくより来りしものそまなかひにもとなかかりて安眠(やすい)しなさぬ
山上憶良 万葉集 [巻五 802]
「瓜を食べれば、子供に食べさせたいと思って子供のことが思い出されるし、栗を食べれば一層子供のことがいとしく思われてならない。子供は可愛いものだなあ。いったいどこから来たのだろう、子供のことが目の前にちらついて安眠もできない」
京に残してきた子供らを思い出して詠んだ歌。
「瓜」は今の真桑瓜のこと。
上記の歌は長歌ですが、後にとても有名な 反歌 (短歌)が続きます。
銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに優れる宝子にしかめやも
「金も銀も珠玉も、子にまさるものはありませんよ。子は宝です」
マクワウリ(真桑瓜)
Cucumis melo var. makuwa
初夏の果物(果物的野菜)として親しまれたきたウリ科の一年草。
日本での発祥の地は、岐阜県本巣市真桑地区(旧地名 岐阜県本巣郡真桑村)。
「真桑瓜」の名称は地名にちなんで付けられた。
古くは「甜瓜」と書き、カラウリ・アジウリ(味瓜)とも呼ばれた。
アフリカ原産のメロン類がインドを経て紀元前に中国に伝わり分化したもので。
華北を中心として発達し、5世紀ごろには多くの品種が育成されたといわれる。
日本への渡来は明らかでないが、応神天皇のころ朝鮮からの使者や帰化人によって伝えられたともいわれている。
岐阜県本巣市真桑地区では、西暦2世紀ごろにマクワウリの栽培が始まったという言い伝えがあり、ほとんどの農家が栽培していた。
ところが1962年ごろに、マクワウリとネット系メロンを交配させた甘い 「プリンスメロン」が登場。
さらにアンデスメロン・アムスメロンなどのネット系メロンに追いやられ姿を消した。
70年代以降は地元でも忘れられた果物となった。
けれど、今も「真桑の名がつく伝統の果物」を栽培しているところもあるようです。
マクワウリ イラスト
マクワウリの茎は、有毛のつる性でよく分枝し、浅く5裂した葉を互生する。
普通親づる、子づるには雄花が着生し、孫づるの1節目から2節目に果実となる両性花がつく。
開花は6〜7月。収穫は7〜9月。
果実は丸・楕円・円筒形などがあり、果皮は品種によって熟すると白・黄・黄緑・緑などになる。
上品な甘さと芳香、シャキッとした歯ざわり、特に種の周りは軟らかくて美味しい。
マクワウリの未成熟果実は苦味があり、薬用にされる。
最近は店頭であまり見かけなくなっていますが、黄金色のマクワウリを「マッカ」と呼んで、子供のころによく食べた。
古事記・万葉集にも登場。織田信長も愛した「マクワウリ」は、昔なつかしの果物です。
※ 参考文献:平凡社大百科辞典 2005年8月23日 毎日新聞記事
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そうですね。 スイカの未熟果実やマクワウリの未熟なの、お漬物になりますね。
植物は花の色を来て欲しい昆虫などに合わせて変えているとされています。
昆虫たちは黄色い色に敏感だといわれています。
紫外線を含む青や紫の短波長の光には昆虫は反応し易く、赤色の様な長波長の光には反応が鈍い。
人には黄色い花や白い花も昆虫には淡い青色に写るらしいです。
夏の花って黄色が多いですね・・・
何か理由があるのかなぁー、とふと思いました!